不思議ビジネス案内所

第7回 “剥製師”ってどんなお仕事? 前編

2010.01.22 FRI

不思議ビジネス案内所


鳥やネコなど身近な動物から、ホッキョクグマなどのどデカイ動物まで、様々な剥製がそろう「アトリエ杉本」の中は、動物園さながら。最近では剥製制作に加えて、テレビや雑誌などに剥製を貸し出す“剥製レンタル”も需要が高いとか。 【取材協力】アトリエ杉本

動物の姿を永遠に…“剥製師”の仕事とは?



2010年はトラ年ですね。
私がいただいた年賀状の中にも、超リアルなトラの写真を使ったものがあったのですが、
本物ではなくて、“剥製”のトラでした。

でもこの剥製って誰が作っているの!? ってなわけで今回は、動物の剥製を作るお仕事に注目してみることにしました。

さっそく剥製づくり40年! 三鷹にある老舗剥製専門店「アトリエ杉本」のオーナー、杉本恵司さんにお話を伺いました。

「剥製を作る人は“剥製師”と呼ばれていますが、特別な資格は必要ありません。日本には剥製づくりを学べる専門学校がないので、剥製師に弟子入りするのが一般的です。私のアトリエにも1人若い弟子がいますが、3年間無給で働きながら、技術を学んでいます」

どんなステップを踏んで一人前の剥製師になるんでしょう?

「まずは小鳥などの小さな動物から技術を学びます。その後リスやウサギ、ネコと徐々に大きい動物に取り組んでもらいます。剥製づくりはまず動物を解体して、内臓を取り出します。、その後皮の防腐処理をし、姿形を元通り復元するというのが大きな流れですが、動物の姿形を忠実に復元するためには、単なる技術だけではなく、動物の生態や骨格、筋肉に関する知識が欠かせません。学ぶことが山ほどある分、奥が深い仕事ですよ」 ちなみに、いったいどんな方が剥製をオーダーするんですか?

「展示用に使うための博物館からの依頼や、最近では亡くなったペットを剥製にする方も多いです。依頼にあたっては、遺骸を冷蔵の宅急便で送っていただきます。細部までリアルに復元するために、生前の写真を同封してもらうこともあります。小鳥なら3カ月程度、2万円ほどでできますよ」

製作途中のインコちゃんを見せてもらったところ、なんとまあ生きているみたい!
羽や足などデリケートな部分も丁寧に扱うことで、生前のリアルな質感が残っています。
「剥製は人間のエゴだと言われることもありますが、作り手は“いのちを蘇らせる”仕事だと思って、一体一体、丁寧に取り組んでいるんですよ」と杉本さん。

「ちょっと気持ち悪いかも…」なんて漠然とした先入観を持たれがちな剥製。
あたりまえのことですが、そのすべてにはかつて生命が宿っていて、それぞれにいのちのストーリーがあったはずです。

そんなことに想いを巡らせながら、生前と変わらぬ姿を蘇らせようとする剥製師というお職業は、技術だけでなく、心も繊細でないとできないお仕事なのだなあと思いました。

ところで…。「剥製ってどうやって作るの!?」とお思いのみなさん、ご安心を!
次回は勇気を振り絞って剥製づくりの現場を取材してみたいと思います! 気になる仕事、珍しい職業をご存じでしたら、右下の投稿ボタンを押して投稿してください!

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト