別に儲かるワケじゃない?

自社の株価が上がると企業はどうしてうれしいの?

2010.02.18 THU



写真提供/時事通信社
企業は自社の株価を強く意識している。勤務先でも、株価が上がったの下がったのと話題に上ることもあるはず。しかし、企業にとって、自社の株価が上がるメリットって実際のところ何なのだろう。よくよく考えると実はちょっとわかりにくい。なぜなら、自社の株価が上がっても、値上がり分が企業に入ってくるわけではないからだ。

すでに発行した株式の価格が、マーケットメカニズムで変化しているのが株価。そもそも株式は、売買しなければ利益も損失も直ちには発生しない。株式は基本的には他者に保有・売買されるもので、発行元企業が自ら売買しても本質的な価値が変わるものではない。また、自社の株式を日常的に売買する企業というのも聞いたことがない。つまり株価上昇で、発行元企業がダイレクトに儲かったりするわけではないのである。

企業にとって、自社株の価格上昇というのは、上昇がもたらす利益の話では実はない。何より経営の安定につながるのだ。株価が上がれば、「株価を上げろ」「配当をもっと」といった株主からの突き上げはなくなる。株主からの支持が高まれば、経営陣は事業で新しい取り組みもしやすくなるし、職を追われる心配なく、経営に当たれる。また、株価が下がるとさらされかねない買収のリスクからも逃れられる。さらに、株価が上がり、時価総額という形で会社の価値が高まれば、金融機関からの信用力も上がって資金調達もしやすくなる。

増資にも株高は好都合となる。同じ100億円を調達するにも、株価が高ければ発行する新株数は少なくて済む。そうなれば、既存株主が持っている株の価値を薄めなくて済む。だが、株価が安ければ、大量の株を発行しなければならない。

株価はいわば会社の評価のバロメーター。株高という形で評価されていれば、投資家も企業の実力を感じ取ることができる。高く評価されれば、それだけお金も集まってくるということ。株高は、企業にはいいことずくめ、なのである。
(上阪 徹)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト