オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

人生の折り返し地点 35歳をどう迎えるか?

2010.03.18 THU


『“35歳”を救え なぜ10年前の35歳より年収が200万円も低いのか』 NHK「あすの日本」プロジェクト、三菱総合研究所/阪急コミュニケーションズ/1575円
10年前に比べて年収は激減、
最悪のシナリオは回避できるか?

「日本の人口は20年前までに比べて1割減少し、GDP、国内総生産は、ついに20年前と同じ水準にまで落ち込みました。一方、消費税率は、今月から18パーセントに引き上げられます」。こんな暗澹たる2029年のシミュレーションが本書冒頭には綴られている。
むろんこれは「正規雇用の一層の減少」と「所得の伸び悩み」を前提条件とした「最悪のシナリオ」ではある。だが本書を読んだ後では、”ありうるかもしれない予測”と思わざるをえない。
突然の工場閉鎖や倒産によって年収を大幅カットされた35歳。一念発起して職業訓練校で勉強したのに、年齢が足かせとなって再就職ができずにいる35歳。収入が原因で恋人との結婚をあきらめざるをえなかった35歳。様々な35歳の現実が本書ではレポートされているが、彼らが決して例外的なケースではないことを、数々のアンケート結果が裏付けている。
たとえば97年には30~34歳の年収ボリューム層は500万~600万円だが、07年には300万円台と200万円以上も低くなっている。あるいは年収が下がるにつれて、転職回数が増えていくというデータもある。35歳未婚者のおよそ3割が収入の低さを理由に、結婚に踏み切れない…。
後半2章ではイギリスやデンマークの積極雇用支援政策、フランスの子育て支援策を参考事例として挙げながら、35歳世代の再生策を提言している。現状報告に比べて提言のインパクトは弱いが、それだけ35歳問題の根は深いということなのだろう。

  • 頭を使って人生を歩け

    『35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画』
    藤原和博/幻冬舎メディアコンサルティング/1000円

    ビジネスから教育まで八面六臂の活躍をする著者が、戦略的人生設計の必要性を説いた1冊。テレビ、新聞、接待をリストラせよ、家族と仕事以外の第三の場所を持てなど、自身の成長を動機づける具体的なアドバイスに富んでいる。といっても著者の提案を鵜呑みにするのはNG。自分のアタマを使って人生をマネジメントするためのケーススタディとして本書を活用したい。
  • 頑張りすぎない健康テク

    『40歳からの肉体改造 頑張らないトレーニング』
    有吉与志恵/ちくま新書/756円

    だるい、疲れる、元気が出ない…なんて若いうちからお嘆きの人は、本書を片手に、自分の肉体を再点検してみよう。頑張りすぎない「改善系トレーニング」の観点から、骨や筋肉についてわかりやすい解説に加え、無理なく身体をリセットする方法が示されている。30代後半をたくましくサバイブするためにも、健康問題から目を逸らしてはいけません。
  • ハルキにとっての35歳問題

    『回転木馬のデッド・ヒート』
    村上春樹/講談社文庫/420円

    「35歳になった春、彼は自分が既に人生の折りかえし点を曲がってしまったことを確認した」──これは作者が小説やノン・フィクションではなく〈スケッチ〉と呼ぶ文章の一篇「プールサイド」の冒頭である。そこで描かれる、今までの人生を振り返り、自身の老いをしみじみと実感した男の様子は印象的だ。その姿は、僕ら自身の年のとり方を考えるきっかけとしても読めるはず。
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人生の折り返し地点 35歳をどう迎えるか?

※フリーマガジンR25 260号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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