あの経済偉人たちのR25世代

第3回 ジョブズがR25世代だったころ

2010.06.18 FRI

あの経済偉人たちのR25世代


スティーブ・ジョブズ(1955~)。独創的なこだわりが、今日の数々のヒット商品を生んだ。iPodで音楽の視聴法を変え、今度はiPadでパソコンのあり方を変えてしまおうとする恐るべき手腕は、人には見えない未来をしっかりと見据えていればこそだろう イラスト:うぬまいちろう

時に賢く、時にズルく商才を発揮した青年時代



iPodに続き、iPadが世界を席巻中のアップル。その快進撃は、やっぱりCEOであるスティーブ・ジョブズの手腕抜きには考えられないだろう。今回はジョブズのR25時代を探ってみよう。

ジョブズが生まれた1955年は、奇しくもマイクロソフトのビル・ゲイツの生まれ年でもある。ジョブズがITの道に開眼したのは、高校時代にすご腕エンジニアのウォズニアック(以下、ウォズ。のちのアップル共同経営者)と出会ったことが大きい。ウォズのスキルを利用し、無料で電話をかけられる装置を作って売りさばいていたジョブズ。1台40ドル程度の装置を100~150ドルで販売していたというから、ジョブズの商魂は高校時代からの筋金入りだ。

その後、大学を中退してエンジニアとなったジョブズ。しかし、自分の手に余る仕事は夜中にこっそりウォズにやらせ、実際には5000ドルの報酬を700ドルと偽り、その“半分”の350ドルをウォズに渡すなど、なかなかあこぎなエピソードも残されている。

その後、ジョブズは彼が設計した個人向けコンピュータ(Apple I)の販売に着手。約170台を売りさばき、その利益を資本に興したのがアップルというわけだ。これがジョブズ、21歳の時である。

続いて発売した『Apple II』は、“高い専門知識がなくても動かせるパソコン”というコンセプトが衆目を惹きつけ、200万台超の大ヒットを記録。開発にあたっては、騒音のない「静かなマシン」作りに執心したというが、これはインド旅行中に瞑想の世界に触れ、静寂の重要性に気付かされたからだとか。とにもかくにも、ジョブズは弱冠25歳にしてアップルを上場させ、なんと2億ドルもの資産を手に入れることになる。 ジョブズの信条のひとつはスピードだった。普通の企業が数年かけて取り組むプロジェクトを、わずか数カ月で実現するよう命じるようなムチャぶりもざら。スタッフがエレベータでジョブズと乗り合わせると、次にエレベータの扉が開くまでの刹那に、プロジェクトの中止を言い渡されたり、ひどい時には解雇を宣告されることすら珍しくなかったというから恐ろしい。時代のはるか先が見えていた彼にとっては、世間の速度はあまりにノロマに映ったのかも?

その後、マッキントッシュの需要予測を誤り、アップルを一時的に経営難に陥れたことで、追放同然に一度はアップルを去ったジョブズ。だが、40代でアップルに復帰したと思ったら、あっという間に現在の隆盛を築き上げてしまったのはご存じの通りだ。 R25時代を知りたい経済界の偉人のリクエスト。当企画にコメントなどありましたら右下の投稿ボタンからおねがいします

あの経済偉人たちのR25世代の記事一覧はこちら

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト