「上司は中国人」がフツーに!?

人民元が切り上げられるとボクらにはどんな影響が?

2010.06.17 THU



写真提供/AFLO
中国の通貨“人民元”の切り上げが注目されている。簡単に言えば、ドルに対する人民元の価値を高め、今よりも「元高ドル安」にしようという動きのことだ。報道によると、アメリカが切り上げを強く要望しているというが、どんなメリットがあるのだろうか?

「アメリカは膨大な対中貿易赤字を抱えており、人民元高にすることで、自国の雇用を守りたいんです。中間選挙が近いのでアピールの側面もあるでしょう」(日本総研で中国経済を研究する佐野淳也さん)

その一方で、中国は人民元安による輸出産業振興で、貿易黒字を生み出している。簡単には切り上げに応じない気がするが。

「圧力に屈したという形はとらないでしょう。しかし、政府が米ドルを買い人民元レートを維持する状態は、国内のカネ余りによるバブルを引き起こすおそれがあります。インフレ懸念もあり、切り上げが必要なことは理解しているはず。個人的には、徐々に切り上げて年末には今のレートより約3%の元高ドル安が進むと考えています。日本では人民元高につられて、一時的に円高ドル安に振れることがあるかもしれませんが、長続きはせず、実体経済に大きな影響はないと思われます」

では、ボクらへの影響はどんなことが?

「直接は、中国人観光客の増加でしょう。富裕層の観光客を目当てにしたビジネスが盛んになるので、百貨店も売り上げを伸ばすかもしれません。中国人の購買力は増して、消費マーケットとしての存在感はさらに高まるでしょう。日本メーカーにとっては、今以上に重要な輸出先になるでしょうね」

逆に、中国に工場を持っている日本企業はコストが高くなることが考えられ、東南アジアなどに工場を移すケースも出てくるだろう。ほかにも、より人民元が強くなると、レナウンが中国企業の傘下になったようなM&A(企業の買収や合併)が、今以上に活発になる可能性も。10年後には上司は中国人なんて光景も普通になるのかも?
(笹林 司)


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