正直、まったく実感はないけれど…

先行指標で読み解くと今は“好景気”だった!?

2010.08.05 THU



写真提供/時事通信社
景気が回復している!? 日銀が現在の景気や先行きについて企業を調査する「日銀短観(7月1日発表)」によると、リーマンショック後初めて、大企業製造業で景気が「良い」との答えが「悪い」と答えた数を上回った。正直全く実感がわかないな。詳しい話をニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員に聞いた。

「今現在の景気は、11項目からなる“一致系列”を基準に判断します。ここには、有効求人倍率、鉱業または製造業に属する企業の生産活動状況を示す鉱工業生産指数、小売業や卸売業の販売額などが含まれているのですが、実は2009年3月を底に、13カ月連続で改善したんです」

この他にも、2010年3月の新車販売台数も前年同月比40.7%増。不動産経済研究所による3月の首都圏マンション新規販売数は、前年同月比54.2%増となっている。企業業績も好調で、2011年3月期の上場企業の経常利益は前年比38%程度の増益との予想もある。たしかに数字だけを見ると、景気回復しているみたいだが、ボクたちが実感できないのはナゼ?

「政府や日銀、マスコミが発表する景気回復は、前月や前年と比べてどれくらい良くなっているかといった景気の方向性を見ています。一方、多くの人は景気の水準で回復を実感するんです。現在の景気は回復方向ですが、水準としてはリーマンショック前を下回っています。加えて、会社の業績が回復しても、すぐに給与には反映されません。仮にこのまま回復したとしても、企業業績が家計に波及するには、2~3年は見ておいた方がいいでしょう」(同)

景気は回復しているけれど、ボクらが実感できるのはまだまだ先ということか。まあ、景気が下向きじゃないだけでも良しとしましょう。と、思いきや…。

「方向性を見る景気指標は、世界的にもたつきが目立ち始めています。景気回復は緩やかになるでしょうね」(同)

景気の気は気分の気といいますが、まだまだ楽観できそうにありません。
(笹林 司)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト