達人の“頭の中”に侵入セヨ!

第4回 人気文具メーカー社員の頭に侵入セヨ!

2010.12.10 FRI

達人の“頭の中”に侵入セヨ!


遠藤直樹氏(カンミ堂勤務)。雑貨や文具好きが高じて、現職に。遠藤さんのアイデアも様々な新商品の一部になっているという

新商品の「アイデア」が生まれる就業スタイル



第4回の今回、話を伺ったビジネス達人は、文具メーカー・カンミ堂に勤める遠藤直樹さん。カンミ堂は社長+社員5人と小規模ながら、仕事整理帳「10min.(テンミニッツ)」や壁を傷つけずに写真が飾れる「どこでもマグネット」など、数々のヒット商品を開発している。ところで、遠藤さんはどんな仕事をしているの?

「カンミ堂は全社員が2職種以上を兼務。たとえば僕は“広報”、HPやメルマガなどの“編集”、商品の注文~納品までを管理する“生産管理”、商品のデザインなどを考える“制作”の4つのわらじを履いています。社内には、経理と営業という、まったく違う職種を兼務する人間もいますよ」

4職種を兼務!? と驚くなかれ。実はこの体制には理由があるのだそう。

「カンミ堂では月に1回程度、新商品開発のための“アイデア会議”が開かれ、全社員がテーマに沿ったアイデアを出せる限り持ち寄ります。文具メーカーなので、お客様は自分たちと同じようなビジネスマン。様々な職種を経験することで、ビジネスマンが使いたい新商品のアイデアが自然と得られる仕組みになっているんです」

仕事中に感じる不便さや「あったらいいな」が、そのままアイデアの種になるというわけだ。でも、毎月10個のアイデアなんて、仕事をするだけで思いつくもの?

「さすがにムリですね(苦笑)。アイデア会議が近づくと、まずは文具コーナーで他社製品を見たり、売れ筋商品をチェックしたりします。でも、大手文具メーカーの商品の真似や焼き直しでは勝ち目がないので、それはあくまで“すでに世の中にある商品”の情報収集。新商品は、映画を観たりジムで体を動かしたりして、心と体をリラックスさせながら考えます。リラックス状態で改めて仕事のことを思い出したり、日常生活を振り返ったりすると、肩の力が抜けたアイデアが出てくるんです」

なるほど、情報収集と新商品のアイデアは直結しないのね。おもなアイデアの源は、あくまで遠藤さんの日常というわけか。さすがに俺も会社で「明日から広報と営業を兼務します!」と宣言するワケにはいかないけれど、自分と違う職種の人間の考え方はアイデアの種になりそうだ。まずは異業種交流会にでも参加して、新しい知り合いを作ってみるか!
頭脳プレイ専門かと思いきや、ときにはこんな戦闘シーンもこなす。華麗なチームワークも『インセプション』の見どころのひとつ

会社も『インセプション』もチームワークがカギ



今夏一番の話題作『インセプション』が、ブルーレイ&DVDになって発売開始! この連載もそろそろ折り返し。ビジネス達人たちの感想を聞くたび「早く観たい!!」とウズウズしていた読者も多いだろう。

というわけで後編では、引き続き文具メーカー・カンミ堂の遠藤直樹氏にインタビュー! 『インセプション』の面白さについて、じっくり聞きたいと思う。遠藤さんが一番印象に残ったシーンは?

「大企業の社長が2代目の息子に『私の真似をするだけじゃダメだ』と語るシーン。あれは、ウラがあることがわかっていてもジーンときましたね。僕も常日頃社長から『誰かの真似をした新商品じゃダメだ』と言われ続けているので、ちょっとかぶったのかもしれません(苦笑)」

さすが、年間100本以上の映画を観る映画好きなだけあって、どの達人とも違う新しい着眼点! たしかにアレは感動しました…が、『インセプション』の根幹に関わるシーンのため、詳しくはブルーレイ&DVDをご覧あれ! ところで、ビジネスマン的に共感できるシーンはあった?

「ドム・コブたちのチームワークが素晴らしかったですね。夢の設計や、深く眠るための薬剤の調合など、チーム全員がそれぞれの分野でスペシャリストなのに、いざ事が起こると全員が力を合わせて敵と戦闘を繰り広げたりもする…。自分の仕事の範囲を“ここまで”と区切らず協力することで、いろんな困難に立ち向かうことができるんだなと感じました。僕の会社もちょうど6人なので、また感情移入しちゃったのかな?」

なるほど、会社というチームで商品開発に取り組む遠藤さんは、『インセプション』のチームワークに共感したようだ。では、もし『インセプション』のように他人の頭の中に侵入できる技術があったらどうする?

「普通のビジネスマンの頭の中をのぞいてみたいです。アイデアを盗むのではなくて、カンミ堂の商品を使ったお客様がどんな感想を持ったのか、未来のお客様はどんな商品が欲しいのか、率直な意見が知りたいんです。良い商品を作ったり、発売された商品をより良くしていくには、お客さまからの意見が不可欠。でも、改まってアンケートを取ると、なかなか本音が聞けないんですよ。早く実現されないかな(笑)」 そろそろこの連載も折り返し。
マーケター、若手実業家、コピーライターなど
様々なビジネス達人の話を聞くうち、
「アイデア」というものの正体がつかめてきたような気がする。
ヤツは「偶然の産物」のような顔をしているけど、
実はかなり日常に根差した存在だということ。
日頃の努力なしに舞い降りてくるものではないのだ。

映画『インセプション』の正体をつかむには、
何度も観るのが一番!
12月7日に発売されたブルーレイ&DVDを
今すぐチェックしよう。

達人の“頭の中”に侵入セヨ!

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