日米欧、将来の燃費規制をさらに強化

平均燃費10年で30%UP! 低燃費技術進化のゆくえ

2011.09.29 THU


年々向上しているガソリン車の燃費。新興国での販売は、高価になりがちなハイブリッド車より、ガソリン車の方が現実的といった意見も多い
イラスト/藤田としお (国土交通省 ガソリン乗用車の10・15モード燃費平均値の推移より作成)
世界では“壊れにくくて低燃費”といったイメージの日本車。実際、平均燃費はこの10年で約30%も向上。車種によっては2倍も伸びており、ハイブリッドに匹敵する低燃費のガソリンエンジン車も登場している。まさにメーカーの努力の賜物だが、どんな工夫があるのか? 元エンジニアで環境問題にも詳しいモータージャーナリストの川端由美さんに聞いた。

「燃費向上には、“排気量を小さくする”と“回転数を下げる”2つの方法があります。排気量を小さくする方法は、ダウンサイジングと呼ばれ、欧州車に多いですね」

このダウンサイジングを可能にした要因のひとつが馬力や加速を向上させるターボの進化。「ターボ=燃費が悪い」のは昔の話。現在は燃料を大量消費せず、小排気量でも効率的にパワーを出せる装置になっている。

「一方、ターボを使わず回転数を下げているのが日本のメーカー。そもそもエンジンは、発生するエネルギーの3割しか走行に使えていません。エンジンの構造を根本から見直し、細かい改良を加えることで、この割合を高めているんです」

また、かつてはエンジニアの経験則に頼るローテクの部分が大きかったエンジン開発が、コンピューターの進化でエンジン内での燃焼などのシミュレーションが容易になったり、きめ細かい燃料制御ができるようになったりしたことも燃費向上に貢献したという。しかも、まだ改良の余地があり、さらなる燃費の向上が見込めるのだとか。

実はこうした努力の背景には、将来の燃費規制がある。欧州では、2015年までに約18km/リットルへの引き上げが義務付けられ、米国も2025年までに約23km/リットルに引き上げることを発表。日本でも、乗用車の燃費を2020年度までに約20km/リットルにすることを義務付ける案が国交省から提出された。メーカーは大変だろうが、消費者にはうれしい話。技術者の皆さん、どうか頑張ってください!
(笹林司)


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