オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

地方の魅力を再発見!

2011.12.15 THU


『デザイン物産展ニッポン』 ナガオカケンメイ・企画・構成、日本デザインコミッティー・制作/美術出版社/2310円
使用欲をそそられる
「デザインのふるさと」

本書の企画と構成を担当しているデザイナーのナガオカさんは、2008年から、すぐれたデザインの物産を47都道府県ごとに紹介する展覧会を毎年開催している。本書は、その記念すべき第1回の公式カタログだ。

デザイン物産展といっても、各都道府県のオシャレなものを紹介する安易なものではなく、明確なコンセプトがある。それは「デザインにも、ふるさとがある」というもの。「その土地にあるさまざまなことから生まれた『デザイン』に対する気持ちや期待」があるのだとナガオカさんは、まえがきで書いている。

このコンセプトに沿って、本書では5つの切り口から「その土地のデザイン」を紹介している。まずは、伝統工芸品など「昔からあるもの」。2つ目は「昔からあるもの」にデザインが加わったもの。3つ目は、土地の特性を生かした食べ物や飲み物。そして4つ目は、映画祭や各種イベントなど、その土地にもともとなかったデザインの取り組み。最後の5つ目はタウン誌など地域独自のメディア、という具合。

ページをめくると、北海道から沖縄まで、右の5つの切り口に沿って、5つのデザイン物産が美しい写真と簡潔な文章で紹介されている。器やコップ、名刺入れ、スリッパなどなど、「これほしい!」というモノがあちこちに見つかるわけだけど、それは物欲というより使用欲を刺激されるような感覚だ。

さらには、ナガオカさんがセレクトした1泊2日の「デザイントラベルガイド」までついているというサービスぶり。日本再発見のバイブルとして、いつまでも重宝したい。

  • ゆるキャラだよ、全員集合!

    『全日本ゆるキャラ公式ガイドブック』
    みうらじゅん/扶桑社/1980円

    ひこにゃんやせんとくんなどのスターを生んだ、ゆるキャラのブーム。これは、その命名者のみうらじゅんによる集大成だ。富山のゆず太&ゆず香や、兵庫の漁師小僧など、各地の妙だけど愛らしいキャラが所狭しと並んでいる。これらの存在が地方活性化にもつながって、「日本再発見に一役買うことは間違いありません」と、みうらも言う。今後の活躍にゆる~く期待したい。
  • つながりの再生に向けて!

    『「ふるさと」の発想 地方の力を活かす』
    西川一誠/岩波新書/735円

    「ふるさと納税」の提案などで知られる福井県知事が綴った、地方再生のための1冊。疲弊する地方が直面している問題に対応すべく、「新しいふるさと」というコンセプトがここでは提示される。地域内部のみならず、外とも結びつき、人と人のつながりから活力を生もうとする考え方だ。現場を熟知しているだけあって、具体的な取り組みを示している点に説得力あり。
  • 僕らにできること、デザインにできること

    『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる』
    山崎 亮/学芸出版社/1890円

    コミュニティデザイン──人のつながりのデザインに携わる著者の活動が、生き生きと伝わってくる快著。各地の町や公園、デパートなどをより良くデザインして、つくりあげようとする際に、独りよがりにならず、みんなの意見を反映させていく姿勢がなんともたくましい。個々のコミュニティから見えてくるデザインの役割の大きさとともに、地方の底力も感じ取ってほしい。
地方の魅力を再発見!

※フリーマガジンR25 299号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト