デフレ対策目的の採用は日本だけ?

インフレ目標でデフレ脱却なるか?

2012.04.05 THU


物価上昇で心配されるのが食料品やガソリンの値上げ。ただ、1%では大きな変化はなく、それより給料のアップなどにつながればいいのだが
画像提供/ロイター/アフロ
日銀が「消費者物価の1%上昇」を目指す、と事実上の「インフレ目標」導入を決めてから2カ月。このインフレ目標とは、物価の上昇率を何%にするかの目標を決め、その達成のために行う金融政策のこと。いまの日本は物価が下がり続けるデフレ状態で、企業は資金があっても使おうとせず、消費者には買い控えが広がり、ますますデフレになる悪循環にある。そこで、中央銀行である日銀が物価をコントロールし、デフレや景気の低迷を解決しようというのだ。

とはいえ、「インフレ目標」で本当に物価が上昇するのか、そのあたりはまだ不透明ともいわれている。その理由はまず、前例がないこと。じつは、この金融政策を採用している国は、英国やカナダをはじめ、今年1月に導入した米国など二十数カ国に及ぶが、デフレ対策をおもな目的として採用した国は日本以外にない。ほかの国はすべてインフレ対策や物価の安定を目的に導入しており、「インフレ目標」では物価の上昇を抑制できても引き上げることはできないのではないか、との見方もあるのだ。もうひとつの理由は、日銀は昨年10月に金融緩和を強化したさいに「物価が安定する見通しが立つまでゼロ金利を継続する」と、すでにインフレを誘導する政策を行なっているという点。日銀が市場にお金がジャブジャブとあふれる状態を意図的につくり、緩やかなインフレを起こそうとしてきたのにもかかわらず、それでも物価は上がってこなかったじゃないか、というわけだ。

もっとも、市場では最近、円安と株高が進み、「インフレ目標」は一定の成果を挙げているようでもある。ただし、ほかの導入国をみると、たとえば昨年の英国では物価上昇率2%の目標に対して実際は4%台で推移したりと、当初の期待通りに物価をコントロールできずに金融政策の運営に頭を悩ませている国も少なくない。さて、インフレ目標の導入はデフレ脱却の起爆剤となり得るのだろうか。
(押尾銅山)


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