金・銀・銅に石油、天然ガスまで…

海洋資源大国ニッポンの潜在能力

2012.08.23 THU


日本の最南端の沖ノ鳥島。排他的経済水域確保の重要な拠点。2008年に閣議決定された「海洋基本計画」により、日本近海での資源探査がより活発になっている
画像提供/時事
日本国内と領海内に埋蔵された資源に関するニュースが目立っている。南鳥島沖の海底では日本の消費量の約230年分、推定埋蔵量約680万トンのレアアースを含む泥が大量に発見された。秋田県では新型石油として注目されるシェールオイルの試掘が開始予定。報道によると、最大で国内年間消費量の1割弱にあたる約1億バレルの石油生産も期待されるという。佐渡南西沖では、石油天然ガスの基礎調査も開始。埋蔵の可能性がある海域面積は135平方キロメートルで「大規模油田と同等」だとか。これらの“資源”の可能性について、資源エネルギー庁に聞いた。

「佐渡南西沖の石油・天然ガス資源の埋蔵量は、国内の油ガス層では相当のポテンシャルだと考えられるが、これだけで国内消費をまかなえるとは考えていない」「南鳥島沖のレアアースの量はあくまで理論値。深海からの採掘にかかる技術や費用もハードル」とのこと。現実は甘くないようだ。

しかし、今回の報道以外にも、海洋資源の可能性は以前から取りざたされている。埋蔵資源量は調査機関などにより差があるが、例えば、メタンハイドレートは国内天然ガス消費量の100年分ともいわれる。また、沖縄・東シナ海の石油・天然ガスは、最大5.18億キロリットルとの推定も。海底1000m付近に存在する「海底熱水鉱床」と呼ばれる金、銀、銅、鉛やレアメタルを豊富に含んだ鉱床には、7.5億tが埋蔵しており、60%が回収可能なら含有するメタル分は地金80兆円に相当するとの試算もある。

費用対効果や技術面を考えると実用化のハードルは高いが、資源の安定供給には供給元を分散させることが重要。その意味で、領海内での調査や試掘には大きな意義がある。画期的な採掘技術が開発されれば、いつの日か日本が“資源小国”から脱却できる可能性もあるかもしれない。
(笹林 司)


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