経済評論家・山崎元も後押し

「地下鉄24時間化」で景気回復?

2013.06.04 TUE


地下鉄の24時間運行には、路線のメンテナンスなどの問題があるため、まず都営バスから実施されるという 写真提供/PIXTA
猪瀬都知事が、都営バスの一部路線(六本木~渋谷間)の運行を、年内には24時間化すると発言した。地下鉄を24時間運行しているニューヨークにならって、東京でも都営地下鉄、都営バスともに運行の24時間化を目指すという。しかしその一方で、残業の抑止力となっていた「終電」がなくなることによるオーバーワークへの影響を懸念する声も。東京の交通機関が24時間化されたら、僕らの生活はどうなるのか? 経済評論家の山崎元さんに聞いてみた。

「たとえば外食産業。今の銀座は、24時を過ぎると途端に閑散としてしまいます。せっかく楽しく飲み食いしているのに終電で帰らなければならないのは切ない。夜の街はもっと活性化するべきでしょう」と、交通の24時間化には賛成だとか。「深夜のタクシー代が浮く分、飲食代にお金を使える人が増え、外食産業自体も活性化するのでは」と語る。
 
レジャーシーンも同様で、「深夜開催のイベントも増えるでしょう。様々な娯楽が時間の制約を受けにくくなることで多様化し、文化的な面でも、新たなカルチャーが隆盛する後押しになるでしょう」。アートやライブ、スポーツなどのイベントが、終電を考慮した19時スタートという慣例も見直すべきというのは猪瀬都知事の目論みでもある。「ただ、0時以降の深夜営業についての規制が厳しい現状の風営法は、改正する必要が出てくると思います」(山崎さん)。

終電といえば、当然気になるのが、「終電なくなっちゃったね、泊まっていこうか…?」という恋愛シーンでのビッグチャンス。こんな口説き文句は、交通の24時間化によってなくなってしまうんでしょうか…? 「地下鉄が動いていれば安いコストで家まで送って行けるということです。一緒に手をつないで帰ればいいじゃないですか!」

おお、頼もしいお言葉。でも、それを言い出せないから困っているんですが…。

一方で、ダメージを受けるビジネスもある。「タクシー業界への打撃は避けられないでしょう。深夜需要をどう補填するか、新しいビジネスモデルを考える必要があると思います」。

また、働き方への影響を懸念する声も。「終電までには帰る」という歯止めがなくなることで、サラリーマンの深夜残業が増えるのでは? というわけだ。

「とはいえ、都市が活発化すれば、それだけ周辺エリアの不動産価値も高まります。深夜の交通手段がないことのほうが問題で、改善されるのはいいことでしょう。残業懸念のほか、治安が乱れるなどの反対意見もあるようですが、マイナス要素は規制する方向で議論していけばいい」と山崎氏。猪瀬都知事は「満員の終電に乗って帰るだけの日本的なライフスタイルを転換する機会になれば」とTwitterで発言している。今後の動向に要注目だ。
(菅原信子)

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