住宅ローン金利の引き下げ競争も激化!?

金利低下で得する業界・損する業界

2013.08.07 WED

8月25日、長期金利の「0.9%割れ」が経済界で大きなニュースになった。前週に「1%割れ」のショックが報道されてからわずか1週間。あっさりそれを下回る長期金利の急落で、今後、サラリーマンのフトコロにはどんな影響が出てくるのか?
まずは、これによって「得する業界・損する業界」をリサーチしてみた。

BRICs経済研究所代表の門倉貴史氏によれば、「長期金利が低下することで得する業界は、自動車や造船、鉄鋼、建設・不動産、電力など基本的に長期の借り入れで生産設備を建設している業界になるかと思います。金利が低下すると、利払い費の負担が軽くなりますし、新規の借り入れが容易になりますから」とのこと。

逆に損をする業界は、生命保険など長期で国債などの安全資産を運用しなければならない業界だという。
「保険契約者に約束した予定利率より、実際の運用利回りが下回る“逆ザヤ”が発生しかねないため、長期金利の低下によって大きなダメージを受けるはずです」(門倉さん)。

同じサラリーマンでも、長期金利低下が追い風になる業界もあれば、逆風になる業界もあるというわけだ。

そして、長期金利低下といえば何といっても気になるのが「住宅ローン金利」への影響。
これからローンを組む人も、既に組んでいる人も、ここまで金利が下がると、「今が借りどき?」「借り換えないと損?」など迷うことだろう。

ソニー銀行の住宅ローンを取り扱う「リプラ」コンサルタントの土井氏によれば、昨今の超低金利が住宅ローン金利の引き下げ要因になっているのは確かだという。さらに、住宅ローン金利低下に拍車をかけるもうひとつの要因についてもこう指摘する。

「現在は、景気の先行き不透明感から企業がお金を借り控え、貸出先を失った銀行がお金をもて余している状態。それがさらなる金利下落を招いているわけです。こうした状況を受け、銀行各社は(利幅は小さくとも)長期間安定した金利収入を見込める住宅ローン市場を重視しはじめています。少々金利を下げてでも優良顧客を獲得しようと熾烈な争奪戦を繰り広げており、ローン金利の引き下げ競争のような事態になっているのです」

その象徴ともいえる例が、今年6月に東京スター銀行が募集した「金利ゼロ」の住宅ローン。先着500名限定のキャンペーン企画とはいえ金利0%の衝撃は大きく、かなりの話題となった。
ちなみに、ソニー銀行も、現在12月30日までの申し込みで変動金利が1.192%、固定金利(10年)では1.764%と、土井氏自身が「これは異常」と驚くほどの低金利だという。

そして、もうひとつ気になるのが「借り換え」の損得。土井氏によると、購入者にとって借り換えの「損益分岐点」は、「借りたときの金利と現在の金利の差が1%・ローン残存期間10年・ローン残存金額が1000万」以上が目安だそう。現在の住宅ローン金利の水準を考えると、借り換え手数料を払っても、借り換えたほうが得になる人も多いというから見逃せない。消費者側も敏感に反応しており、10年型固定金利で2.5%と「底を打った」とされる5年前にローンを組んだ層すらも借り換えを検討するほどだという。

今回の長期金利低下がいつまで続くかわからないが、良くも悪くもサラリーマンのフトコロに影響があることは間違いない。どうせなら賢く時流をウォッチし、超低金利のメリットだけを享受したいものだ。

※この記事は2010年08月に取材・掲載した記事です

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