後継者問題も起きてるし…。

需要は?伝統工芸士の弟子入り事情

2014.02.18 TUE


古来から受け継がれてきた技術によって作り出される伝統工芸品。もしも、ボクらが伝統工芸の職人への弟子入りを考えた場合、今からでも間に合うんだろうか。弟子入りと聞くとどうしても、幼い頃から師匠の家に住み込んで技術を学ぶ、というイメージだが、実際のところどうなんだろう? 多くの伝統工芸の職人が住む荒川区(東京)の荒川ふるさと文化館にお話を伺った。

「昔は、師匠の家に住み込んで技術を学ぶ、ということもありましたが、現代はそういったケースはほとんどないようです。お弟子さんが自宅から師匠のもとへ通う、というのが一般的なのではないでしょうか。お弟子さんも、民間企業で働いていた方やものづくりを学んだ専門学校、美大の卒業生であったり様々です」(荒川ふるさと文化館 担当者)

どうやら、キャリアチェンジの選択肢に「職人への弟子入り」も充分、ありなようだ。そう思うと、弟子入りの間口は意外と広いようだが…。

「以前より弟子入り志願の幅は広がりましたが、問題は弟子を受け入れる側にあります。伝統工芸品の需要が減った現代では、自分が食べていくだけで精一杯で弟子は養えない、という職人さんがたくさんいます。後継者は欲しいが弟子をとる余裕がない、というのが現状なのではないでしょうか」

こういった状況を受けて、国や自治体が職人の後継者育成支援に乗り出している。荒川区もそのひとつだ。

「荒川区で行っている『荒川の匠育成支援事業』は、荒川区が認定した職人さん(伝統工芸技術保持者)への弟子入りをサポートしています。荒川区に住む30歳までの人を対象に、手当てを貰いながら伝統工芸の修行ができる事業です」

この事業、最初の3ヵ月の研修期間は月に最大6万円が支給され、研修後の3~6年間の修行期間は月に最大10万円が支給されるというシステムになっている。区の援助を受けながら、技術習得に専念できるというわけだ。従来のキャリアチェンジとは勝手が違う伝統工芸の職人への弟子入り。支援策を活用することがキャリアチェンジの近道になるといっていいだろう。
(名嘉山直哉/DECO)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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