誰も知らないクルマの雑学 第6回

意外と身近!?天然ガス車がスゴい

2014.03.31 MON


写真は京王電鉄バスグループのCNGバス。2011年9月30日時点で47台を所有している。また、都営バスは平成22年4月1日時点で141台(東京都交通局のホームページより)を保有。ちなみに、トヨタやダイハツはCNG仕様の商用車を販売しており、個人での購入も可能
通勤でバスを使っている人は多いと思うが、側面に「CNG」と記された車両を見たことはないだろうか。バス以外でも一部タクシーなどがCNG車を採用しているが、実はこれらの自動車はガソリンでは走っておらず、圧縮天然ガスを燃料としているのだ。

自動車の技術に詳しいモータージャーナリストの高山正寛氏は「天然ガス車は、ガソリン車の代替として開発され、電気自動車やハイブリッド車より昔から存在する元祖エコカーといってもいい存在です」と語る。いったい、CNG車には具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。

「ひとつは環境性能の高さ。CO2の排出量はガソリン車の2〜3割、黒煙も出さずに、有害物質の排出も低く抑えられています。もうひとつは経済性の良さです。ikmの走行にかかる燃料費を比較すると、天然ガス車はガソリン車の約半分、ディーゼル車の約7割の金額だといわれています。ちなみに、乗り心地自体はガソリン車と大差はありませんよ」

なんだかいいことずくめに聞こえるが、日本ガス協会によると日本の普及率は世界第23位(平成23年3月31日現在)と決して高くはない。エコカーへの取り組みは世界でもトップクラスの日本だけに、やや意外な気も…。

「原因のひとつにハイブリッド車の台頭が考えられます。実はトラックやバスにもハイブリッド車は浸透しています。これだけ普及しているのは日本だけ。それだけに、日本ではディーゼル車や天然ガス自動車などハイブリッド車以外のエコカーが入りこむ余地が少なくなっているのかもしれません。加えて、天然ガスを補給するインフラが少ないことも、普及にとってはマイナス要因でしょう」

絶対数はまだまだ少ないが、徐々に普及の兆しも。日本ガス協会のデータによると、1997年には2093台だったのが、2011年9月時点では4万823台と約20倍に達している。また、日本ガス協会では、車両総重量25tの大型天然ガストラックを運送事業者にモニター運用してもらう実証事業もはじめているとのこと。

ハイブリッド車が普及していない国では“エコカー”として活躍しており、世界では約1300万台も普及している。普及台数の上位には、天然ガスが豊富で燃料として安く使用ができる国、例えばブラジル(約164万台)やインド(約110万台)、中国(約50万台)などが名を連ねる。いずれも成長が見込める新興国なので、今後はさらなる普及が期待されているのだとか。

アメリカでは大量の“シェールガス”の存在が確認され採掘も進むなど、CNG車に追い風となっている。今後、石油価格の高騰やシェールガス革命による供給の安定が進めば、もしかすると、電気自動車やハイブリッド車と並ぶ一大ムーブメントが来るかもしれない。
(コージー林田)

※この記事は2012年3月に取材・掲載した記事です

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