ヒットの舞台裏

3D食玩「ハコビジョン」が人気

2014.03.20 THU


『ハコビジョン』(バンダイ/各525円) 小さな箱に“驚愕の映像”を映しだす、エンターテインメント食玩。建造物などの立体に映像を投影する「プロジェクションマッピング」の技術を手のひらサイズで再現する。第1弾「東京ミチテラス2012 TOKYO HIKARI VISION」「東京国立博物館 KARAKURI」に続き、4月14日には「ハコビジョン MOBILE SUIT GUNDAM」が登場。
実在の建築物などに映像を投影し、空間に幻想的な風景を描く「プロジェクションマッピング(以下、PM)」。そんな最新のエンターテインメントを、いつでもどこでも楽しめるのがバンダイの「ハコビジョン」だ。1月に発売された第1弾では、東京駅で催された伝説的なイベント「東京ミチテラス2012 TOKYO HIKARI VISION」を再現。駅舎が煌びやかな光の装飾に包まれたかと思えば、突然建物が崩れ落ち、次の瞬間また生き物のように動き出す。圧巻の映像ショーが、手のひらサイズの小さな箱の中で展開される。

「じつは、仕組み自体は単純です。箱の上に置いたスマートフォンから流れる映像をクリアプレートに投影し、奥のフィギュアに重ねているだけ。映像もYouTube上にアップし、箱側面のQRコードを読むだけで、専用アプリを使わず再生できるようにしました。PMという魔法のショーを誰もが手軽に楽しめる。そんな玩具を作りたかったんです」

こう語るのは開発者の三原飛雄馬さん。企画を通すための試作品も、自ら手づくりしたというから驚きだ。その仕組み自体は試作段階から基本的に変わっていないが、商品化までには技術面から素材選びに至るまで、数々の調整を要したという。

「今回の映像は東京ミチテラスでPMの演出を手がけたNAKEDに制作していただきました。ただ、イベントの映像をそのまま使えるわけではありません。実際のPMは巨大な建造物に映像を投影するため、十数台のプロジェクターに映像が分割されています。それをハコビジョン用にひとつの映像につなぎ合わせ、さらに映像のゆがみをミリ単位で調整しています。また、クリアプレートなどの素材選びも苦労しました。緻密な映像が投影できることはもちろん、食玩としての安全性もクリアしなければなりません。結局、50種類以上の素材を試しましたね」

さらに、映像は市販されているほぼすべてのスマホの画面寸法を調べ上げ、10種類を用意。QRコードを読み込むと同時に機種を識別し、最適な映像が再生されるようにした。

そんな情熱が実り、ハコビジョンは発売前から大きな話題に。アマゾンの事前予約だけで数万個を超える、食玩では異例のヒットとなった。

「シリーズ化も決定しましたし、将来的には世界に展開していきたいと思っています。パリの凱旋門やイギリスのビッグベンなど、世界中のランドマークでPMイベントを仕掛け、それをハコビジョンで再現できたら最高ですね。さらに、PMに限らず、音楽ライブや3D映画など、様々なエンターテインメントを楽しめるものにしていきたいと思います」

ワンコインで買える小さな箱。そこには無限の可能性が詰まっている。

榎並紀行(やじろべえ)=取材・文

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