無視されたり、暴言吐かれたり…

上司2割超「逆パワハラ」の憂き目

2015.01.08 THU


部下からのイジメに悩んだときは、東京労働局の総合労働相談コーナーに電話をするなど、第三者機関に助けを求める方法もある。一人で思いつめる前に、行動する勇気も大切だ
“イジメ”と聞くと、学生時代を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、会社でのイジメも実はかなり深刻。東京労働局の「総合労働相談コーナー」に寄せられた相談内容の件数は、3年ほど前から「解雇に関すること」を抜いて「イジメ・嫌がらせに関すること」がトップなのだとか! 拡大する会社内でのイジメだが、最近は、上司から部下に対するものだけでなく、“部下から上司”への嫌がらせも増えているらしい。

実際に、部下を3人以上持つ40~50代の男性会社員にアンケート調査を行ってみたところ(協力:アイ・リサーチ)、「部下から嫌がらせやイジメのような仕打ちを受けたことがある」と答えた人は、22.5%という結果に! 5人に1人以上もの上司が“逆パワハラ”ともいえる経験をしているというから驚きだ。

では、具体的にどのようなことをされたのだろうか?

もっとも多かったのが、「別の上司の指示を優先する」(52歳)、「指示した内容をわざと無視されたり、自分勝手な仕事をする」(47歳)、といった“無視”。この程度なら、たまたま業務が重なって…ということもありそうだが、「部下から自分だけ飲み会に誘われず、仲間はずれにされた」(41歳)、「仕事で必要な印鑑が、自分の分だけ注文されていなかった」(56歳)など、明らかに故意とみられるものも…。

また、「得意先からの連絡をつないでもらえなかった」(42歳)、「身に覚えのない悪口を言いふらされて、他部署の部下まで言うことを聞いてくれなくなった」(44歳)など、直接業務を妨害する嫌がらせを受けた人も目立った。ほかにも、「車のミラーを曲げられた」(57歳)、「インスタントコーヒーを入れてもらったら、お湯が少し濁った程度の超アメリカンだった」(53歳)という子供じみた嫌がらせや、「暴言だけじゃなく、部下から殴られたり蹴られたりしたこともある」(50歳)という衝撃的な回答まで様々!

でも、なぜ部下から上司への嫌がらせが増えているのでしょうか? 東京労働局総務部企画室・統括労働紛争調整官の柴田昌志さんに聞きました。

「メールが主な連絡手段になり、上司と部下が直接コミュニケーションを取る機会が減ったことで、気持ちのすれ違いが生まれやすくなったというのはありますね。また、部下の方がパソコン操作などITに詳しくて上司を尊敬できないという面もあるのではないでしょうか。実際に、パソコン操作に関して『そんなことも知らないんですか?』と部下から罵倒されたという相談内容もありましたからね」

「上司より自分の方がデキる」と思った瞬間に、指示されるのがイヤになる…なんてことがあるのかも。では、もしも自分の部下から嫌がらせを受けた場合は、どう対処すればいいの?

「まずは直接、部下と話して不満を聞くのが一番です。それでも直らないときは、自分の上司に報告しましょう。ただし、『部下が嫌がらせをしてくる』と伝えただけでは、ただのグチだと聞き流されたり、『君の管理能力に問題があるのではないか』と疑われる恐れがあります。そんな事態を避けるには、嫌がらせを受けた日時と内容を詳細に“記録に残す”ことが大切ですね。その際、『部下の態度に対して、自分はどんな対処をしたか』まで書き記しておくと、上司としての資質を疑われることなく、現状を伝えることができますよ」

なるほど~。“被害の証拠”と“自分はできる限りのことはした”という記録を残すことが大事なんですね!

上司としてのプライドや我慢強さが邪魔をして、なかなか表面化しないこの問題。まずは、本人と周囲が“部下からのイジメ”というものがある、と理解することが大切なのかもしれない。

(榛村季溶子/short cut)

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