通勤中や休憩中、接待中でもOK?

労災適用範囲はどこからどこまで?

2015.03.18 WED


chomo / PIXTA(pixta.jp)
業務中の事故などにより負ったケガや病気に対して支給される「労災保険」。業務中だけでなく通勤中の事故など「通勤災害」にも適用される。では、どこまでがこの“業務中”や“通勤中”の範疇に含まれるのだろうか? 接待の席は? 昼休みは? 出張中は? 判断の難しいグレーゾーンも多いように思える。

社会保険労務士の成澤紀美さんによれば「災害と業務の間に相応の因果関係が認められれば労災は適用されます」とのこと。つまり、休憩中や出張中、接待中であっても、業務との関連性が認められれば保険金はおりるという。では、業務と業務外の違いはどのように判断されるのか? 様々な事例について、成澤さんの見解を伺ってみた。

まず接待中の災害については「それが会社公認で、業務遂行において上司から指示があり必要なものであれば認められますが、担当者同士の私的な飲み会やゴルフなどは業務外とみなされます」とのこと。接待については、営業上の必要性が厳しくチェックされるようだ。もちろん部署内の懇親会や慰労会などは業務として認められない。

一方、出張中は「その間の全般的な行動が業務として認められる」そう。業務時間だけでなく、宿泊先のホテルで起こった事故についても労災が認められる可能性は高いという。ただし、「土産を買う」といった理由で出張の順路を大きく外れると(少なくともその寄り道の間については)業務中とは認められなくなる。

最後に昼休み中の災害。「休憩時間は自由な行動が許されており、その間は業務外とみなされるため、労災は認められないのが原則。ただ、『食事に向かう途中の階段に油がこぼれていたために足を滑らせ転倒した』など、会社内の設備に不具合があった場合の事故に対しては労災として認められる可能性が高い」という。

成澤さんによれば、労災認定で問われるのは「業務遂行性」の有無。勤務時間中や会社の中にいるなど事業主の支配下にある状況で起こった災害はもちろん、それが業務を遂行するために「不可欠の状況」と認められれば、原則として労災は適用されるようだ。
(榎並紀行)

※この記事は2011年07月に取材・掲載した記事です

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