めくるめく専門店の世界 第1回

少子化でも節句人形が売れる理由

2015.06.05 FRI


写真は「赤糸縅胴丸鎧(あかいとおどしどうまるよろい)」。源義経が大山祇神社に奉納した国宝を模写した奉納鎧。お値段は、なんと650万円。「値段はピンキリですが、100万円程度のものは珍しくありません。兜の丸みを出す作業や糸の飾りなどはすべて手作業。もはや芸術品の域ですね」と横山氏
5月5日は端午の節句。子どもの頃に五月人形や鎧兜を飾ってもらった人も多いだろう。女性の場合は「こどもの日にも、ひな人形を飾ってもらった」なんて多いハズ。

しかし少子化の現代、五月人形の売り上げは落ちていないのだろうか。“人形の久月~”のCMでもおなじみの“久月”で取締役を勤める横山久俊氏に話を伺った。

「久月の売り上げは5割がひな人形、3割が五月人形で占められているのですが、実は売り上げは落ちていないんです。むしろ高額商品も動いている印象ですね。個人的な感覚ですが、子どもの数が減った分、ひとりにかける金額は増えている感じがします」

確かに、今の子どもには「両親+父方の祖父母+母方の祖父母」を合わせて「6つのポケット」があるといわれている。久月でも、孫へのプレゼントは多いのだとか。

「もちろん、時代の変化に応じて売るための工夫もしていますよ。例えば、ひな人形では、目がくりっとしてまつ毛も少し長い、今どきの顔も増やしています。スワロフスキーをちりばめた着物なんかもあるんですよ」

とはいえ、やはりメインで売れるのは伝統的な商品。ただし、トレンドにあわせた商品を展開することで、消費者の選択肢を増やすよう努力しているのだとか。

ちなみに、久月などは人形問屋で、人形を製作しているわけではないのだとか。人形をつくるのは職人で、顔、体、着物など、様々な部位で分担が別れているという。久月は、価格や購入層、その年のトレンドなどを考慮しながら各パーツを組み合わせて一体の人形に仕上げていく、いわば自動車メーカーのような、アッセンブルメーカー(組み立て工場)的な立ち位置なのだ。

「五月人形は、親が子どもを思う愛情の表れ。時代は変わってもこの気持ちが変わらない限り、廃れることはないと思います」と横山氏。確かに子どもができたら、小さくてもいいから買ってあげたいな~。
(コージー林田)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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