個性派社長のお悩み相談室 「クビにならないから大丈夫」!?

コルク佐渡島氏「企画を通すコツは“上司に相談しない”」

2016.01.04 MON

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佐渡島庸平(さどしま・ようへい) 株式会社コルク代表取締役。1979年生まれ、36歳。東京大学文学部英文学科卒。2002年に講談社入社。『モーニング』編集部に配属される。2012年同社を退社、作家のエージェント会社、コルクを設立。著書に『ぼくらの仮説が世界をつくる』(ダイヤモンド社)がある (撮影・松倉広治)
若手社員ならではの悩みを個性派経営者にぶつけ、意見を授かる連載。ビジネスの最前線を走るリーダーの金言には、明日への扉を開くヒントがあるかもしれない。

お話を伺うのは、講談社を経て作家のエージェント会社・コルクを立ち上げた佐渡島庸平氏(@sadycork)。相談内容は「企画の通し方」について。『モーニング』編集部時代から、数々の企画を実現してきた佐渡島さんに、その極意を聞いた。


●ビビるな! 「上司に黙ってすすめてOK」!?

講談社時代、小山宙哉『宇宙兄弟』、三田紀房『ドラゴン桜』などの担当編集を務めるかたわら、それまで誰もやっていなかったPRの方法(作品ごとにツイッターアカウントを開設するなど)を導入。さらには、伊坂幸太郎『モダンタイムス』や平野啓一郎『空白を満たしなさい』といった小説の連載も兼務するなど、漫画編集者の枠組みを超えた企画も形にしてきた佐渡島氏。

前例のない企画を通すコツは、「上司に相談しない」ことだという。

「僕も若い頃はなかなか企画が通らなかったんですよ。それはアイデアレベルで上司に相談して、やっていいかどうか判断を仰いでいたのが原因だと思います。上司ってだいたい、前例もないわけのわからないものにはNOと言うんですよね。了承して失敗したら責任問題になっちゃいますから。だから5~6年目くらいからは、ある程度のところまでは黙ってやっちゃう。実現への道筋がついて、会社の力を借りないと回らなくなってきた段階で決裁をとるようにした。そうしたら、やりたいことがやれるようになりました」

会社員にとってはリスキーな戦略だ。勝手に進めて失敗したときのことを思うと、なかなか実践できることではないが…。

「自分のアイデアを実現したいなら、自らリスクをとらないと。自分は好き勝手やりたいけど責任は上司にとらせたいなんて、そもそも考えが甘いですよ。自分がビビリなだけなのに『上司や会社がやらせてくれない』なんて、人のせいにしている人が多いような気がします」


●企画実現のために「2万円ぐらいなら自腹を切れ!」

また、本当に企画を実現したいなら、自分の時間とお金を使う気概も必要だという。

「プライベートな時間を削ってでも実現したいかどうかですね。たとえば『モーニング』時代、新書を作りたくて新書部門の部長に企画を出したことがあります。そのとき『プライベートタイムに作るから企画を通してください』と言ったらあっさりGOが出ましたよ。部長としては人件費をかけずに本を出せて、業績にもプラスになるわけですから、ラッキーな話ですよね。経費についても同様で、ときには自腹を切る覚悟も必要。資料を購入したり人に会いに行ったりしてかかった交通費も、上司の承認を得ずに進める以上は経費として認められない可能性もある。1万円や2万円くらいなら自腹切ってでもやりたいかどうか。それが、企画に対する自分の本気度を測るバロメーターになるかもしれませんね」

佐渡島さん自身、自分が発案した企画に対してはコストと時間を惜しまなかったという。なかには実現しなかったものもあるが、無駄になったとはとらえていない。

「仮に企画がポシャったって、その過程で学んだ知識や経験、人間関係は無駄にならない。それは会社のものじゃなくて、自分の財産になるわけです。実際、形にならなかった企画もけっこうあると思うんですけど、あんまり覚えてないですね。それより得たものの方が大きいですから。いずれにせよ、やりたい企画があるならどんどん試してみればいい。会社員は多少失敗したってクビになりません。せいぜい怒られるだけですから」

(榎並紀行/やじろべえ)

■個性派社長のお悩み相談室 第9回

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