GDP成長の鍵…学歴や年齢、職歴を点数化して決定!

同僚になることも? 「高度外国人材」ってどんな人

2016.05.26 THU

会社では学べない!ビジネスマン処世術

「日本に留学してきた学生のほとんどは日本を離れているのが現状です。『高度外国人材』制度はそういった学生を引き留めるのにも一役買うのではと思います」(折茂さん) 写真/PIXTA
4月に行われた経済財政諮問会議で、2020年頃までに名目GDP(国内総生産)600兆円を達成するための案がまとめられた。成長戦略加速の1つには「高度外国人材」の受け入れ拡大が盛り込まれている。

そもそも、「高度外国人材」って、どんな人を指すの? 外国人の法務サービスに特化したコンサルティング会社ACROSEEDの折茂純哉さんに聞いた。

「高度外国人材とは、『高度学術研究分野』『高度専門・技術分野』『高度経営・管理分野』の3分野において、優秀な能力や資質を持つ外国人の総称です。具体的には、研究者や教授、システムエンジニア(SE)、経営者などですね。その人の学歴や年齢、職歴などを点数化し、合格点を満たした人が高度外国人材として認められます」

法務省の2015年12月末の統計によれば、高度外国人材の状況は以下の通り。

・高度専門職1号イ(高度学術研究活動)  297名
・高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動) 1144名
・高度専門職1号ハ(高度経営・管理活動) 51名
・高度専門職2号 16名

高度外国人材として認定されると、一般的な在留資格に比べ、次のような優遇措置を受けられるという。

●複合的な在留活動の許容
●在留期間「5年」の付与
●在留歴に係る永住許可要件の緩和
●配偶者の就労
●一定の条件の下での親の帯同
●一定の条件の下での家事使用人の帯同
●入国・在留手続の優先処理

つまり、魅力的な制度を用意して海外から日本へ優秀な人材を取り込み、経済成長につなげたい狙いがあるそう。でも、そんなにうまくいくもの?

「高度外国人材に関する相談は増えていますし、その採用に積極的な企業も多くなっています。弊社が扱っている案件ですと、SEとして高度外国人材を受け入れる企業が圧倒的に多いですね。ほかにも、外国籍の方が起業すれば雇用創出の機会もあると思います。経済成長にはもちろんプラスにはなると思いますが、高度人材に対する点数制による優遇制度がスタートしたのは2012年と、まだ日が浅いので劇的な経済効果はまだ生まれていません」

また、よく高度外国人材の活用のメリットとして挙げられる「海外取引が増える」「ビジネスの競争力強化につながる」などは、その人を採用したから得られる直接の恩恵ではなく、企業の活動次第だと折茂さんは指摘する。さらに、せっかく優秀な人材を確保しても、採用後に課題があるのだとか。

「高度外国人材に限らず、外国籍の方と働く際の課題にはなりますが、企業の受け入れ態勢が整っていないことが多々あり、定着しにくいという相談はよく受けます。言葉の壁はもちろん、価値観もかなり違うので、どうしても双方が働きづらいと感じてしまうんです。私自身も経験していますが、日本人の当たり前は彼らには当たり前でないので、距離感を取るのが特に難しいと感じますね」

今後も高度外国人材の需要は増えると考えられている。受け入れ後の課題をクリアしていくことが、日本の経済成長につながるか否かを左右するといえそうだ。

(南澤悠佳/ノオト)

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