創業120年…森下仁丹・駒村社長が語る

老舗企業でのチャレンジ方法「オーバーな夢を描く」

2016.06.06 MON

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駒村純一(こまむら・じゅんいち) 森下仁丹株式会社代表取締役社長。1950年生まれ。慶應義塾大学卒業後、三菱商事株式会社に入社。2003年より執行役員として森下仁丹株式会社に入社。2006年より現職 (撮影=森カズシゲ)
銀色の仁丹で知られる「森下仁丹」。創業123年の老舗企業は数年前から、最先端のカプセル事業で業績を伸ばしている。新事業へ乗り出し成功をおさめた駒村純一社長に、チャレンジの源泉となる思考の持ち方や意識改革について聞いた。

●「オーバーな夢」を描き、「うまくいく」と信じる


今の仕事にモヤモヤしている若手ビジネスマンからすると、転職や起業、新規事業など、リスクをとってチャレンジする人を羨ましく感じることもある。挑戦する気持ちや勇気は、どうしたら奮い立たせられるのか?

「新しいことをやるのは正直僕も怖い。だから、何かにチャレンジしようと思うときには、頭のなかに少しオーバーな夢を描く。そして、その夢を理想のゴールとして、『現実的にはどれくらいできるか』ということをぼんやり考えるわけです。自己陶酔とまでは行かないですが、自己説得みたいなことですね。その折々の社会背景などもふまえつつ、これはきっとうまくいくに違いないと思い込む。それを繰り返していくと、自分の中でだんだん現実味を帯びてきます」

1979年に開発された森下仁丹の「シームレスカプセル」事業(液体を包める画期的なカプセル)が、今や世界150カ国100種類の事業に広がっているのも、駒村氏の「夢」が出発点になっているという。

「高い技術を持っていたうちのカプセルを『世界中のあらゆる事業で使ってもらいたい』という夢がスタートです。特に医薬品の分野にもっと広めたかった。『CPhI Worldwide』という医薬品の業界専門展があるんですが、そこに行くと世界の大手企業がでかいブースで出展しているわけですよ。とてもきらびやかに見えて、それが悔しくてね。この野郎ども、うちにはもっと優れたカプセルがあるんだぞって(笑)。なんとか認めさせてやりたかった。僕の性格上、現状維持で満足するのはダメですね。イライラします」


●「成功したらすごいことになる!」周りを煽る


「もちろん夢を描けばなんでもうまくいくわけじゃない。うちにも数年間なかなか芽が出ないプロジェクトはありますし、時流に合わず、いったんストップせざるを得ないものもあります。ただ、世の中の風向きが変わり、逆転する時が来るかもしれない。止める=捨てるのではなく、来るべき時に勝負できるようにとっておくんです。過去、必死に取り組んだものを再評価することで、新たな価値が生まれる可能性も十分ある。古いものの中にも新しいものはあるはずなんです」

ただ、チャレンジしようにも上司の理解が得られない、頭が古すぎて受け入れてもらえないケースもあると思われるが…。

「それはプレゼンが下手なんですよ。上司も前向きになれるような説得をしなきゃ。たとえば、『これが成功したら僕たちの(社内での)ステータス、すごいことになりますよ』なんて、上司の功名心を煽るような言い方をしてみたり。正攻法がダメなら漫画でも描いて、ワクワクするようなストーリーを作ったっていい。それこそ1回や2回、口で説明しただけじゃ無理に決まってますよ。でも繰り返し訴えかけていれば、周囲の人間も徐々に同化されていくものです。催眠術じゃないですけどね。そこもやはり夢を持って、周囲に熱量を共有させることが大事でしょうね」

(榎並紀行/やじろべえ) 【駒村社長のルーティン=シーンになじむ“たたずまい”を作る】「どんなに疲れていても、酔っぱらって帰宅しても、翌日の準備とシミュレーションは必ず前日までに行います。スケジュールを確認し、状況に合わせてシャツやネクタイ、靴を選ぶ。そのシーンにフィットする“たたずまい”を、事前に必ず作っておくんです。人は感性の生き物なので、そこにフィットしない人間が来ると違和感を覚えます。どんな場面にもスッと入っていくための心掛けですね」
【駒村社長のルーティン=シーンになじむ“たたずまい”を作る】「どんなに疲れていても、酔っぱらって帰宅しても、翌日の準備とシミュレーションは必ず前日までに行います。スケジュールを確認し、状況に合わせてシャツやネクタイ、靴を選ぶ。そのシーンにフィットする“たたずまい”を、事前に必ず作っておくんです。人は感性の生き物なので、そこにフィットしない人間が来ると違和感を覚えます。どんな場面にもスッと入っていくための心掛けですね」

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