オークションや古本屋、漫画喫茶は漫画家の敵?

GANTZ作者「漫画は新品を定価で買って」の真意

2016.07.28 THU

噂のネット事件簿


あなたがこの次、漫画を買うのは新刊? それとも中古?
人気マンガ『GANTZ』の作者・奥浩哉氏がツイッターで、「漫画はできるだけ新品を定価で買ってほしい」という主旨の発言をして、ネット上で議論となっている。

奥氏は、2000年から2013年まで『週刊ヤングジャンプ』に連載され、アニメ、ゲーム、映画にも展開された『GANTZ』のほか、『変[HEN]』『いぬやしき』など、数々のヒット作を持つ漫画家だ。その奥氏が7月24日、

「子供の夢を壊すようですが、漫画家は、皆んなが立ち読みや漫画喫茶やヤフーオークションや古本で単行本を揃えられても漫画を描いて行けません。生活して行けないのです。わかってても あえてやってる大人もいっぱいいますが。漫画家を支える気があればできるだけ新品を定価で買って下さい」(原文ママ)

と、ツイッターで訴えた。

奥氏の主張は、漫画家にとっては切実なものだ。現行の出版業界のシステムでは、立ち読みは無論のこと、古本として作品がいくら流通しても、漫画喫茶でどれだけ回し読みされても、著者に入る印税はゼロ。なお、レンタルコミックについては、一定の使用料を著作権者に支払われる構造となっている。

このような状況を踏まえたうえでの奥氏の主張ゆえに、ツイッターには、

「好きなモノは定価で買うようにしてます。 コンテンツ産業に限った話じゃないけど、自分の心を豊かにしてくれるモノにどうお返しするかって言うと普通はお金しか出せないしね」
「ちょっとでも面白そうだと思ったら、好きな作者さんの作品なら、応援の意味も込めて買うのが普通だと思っていたけど世の中にはそう思わない人も沢山いるんだもんなぁ~買わなきゃ色んな意味で続きは読めないんだぞ?」
「父に『本は買って読みなさい。』と子供の頃から言われていた意味が大人になってわかるようになりました。 自分の大切に思う分野には投資しないと衰退してしまい、結局、自分が損と言うか悲しくなるんだよね。応援している人の本は発売日に買います」

と、賛同するツイートが寄せられており、

「古本でも、作家に何%か入るシステム作ろうぜ」
「古本でも作者に利益を配分するシステムを作れないですかね?一番はやはり新刊本を買うことだと思いますね」
「古本とかヤフオクとかでも何割か漫画家に入る仕組みとかにならないのかな」

など、著者に還元できる新たな仕組みづくりを求める声もあがっている。

しかし、オークションサイトや漫画喫茶はもちろん法律の範囲内で行われている事業。そもそもビジネスモデルとして違法であるわけではないだけに、

「新品だろうが中古だろうが漫画家の生活云々考えて買ってる人はいないと思いますけどね。漫画好きで面白ければ新品買うのでは?」
「子供の夢もなにも、単にビジネスモデル、流通システムの問題」
「そのサービスを提供している人に向けて言えばよろしいのでは。しかし貴方の言う通りになればそのサービスが衰退してしまうので結局誰かが生活していけないと言うことになると思いますけどね」

といった意見も登場。

家計が厳しいなか、できるだけお金をかけずに多くの作品を楽しみたいと思うのは自然なこと。しかし同時に、好きな漫画の作者を応援したい気持ちが誰しも心にあるはず。奥氏のツイートは、自分がコンテンツとどう向き合えばいいのかということを考えるきっかけとなったようだ。
(金子則男)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト