あえて敵に助言を送ることが、自分を強くする!

プロゲーマー梅原大吾「全ての行動は成長のため」

2017.03.30 THU

給料?やりがい? 30男キャリア相談所 > “仕事本”に学ぶ


(撮影=ウチダアキヤ)
世界的プロゲーマーの梅原大吾氏は、これまで多くの著作『勝ち続ける意志力』『勝負論 ウメハラの流儀』があり、ビジネスパーソンからの評価も高い。そんな梅原氏に、彼の考える「仕事と成長」論を語ってもらった。

●まわりに強いライバルを作ったほうが、自分が成長できる

梅原氏は、食うか食われるかのサバイバル環境に身を置きながら、ライバルに対しても「強くなるためのアドバイス」をするという。その理由とは?

「格闘ゲームのトップレベルでは、コンピュータよりも人間のほうが圧倒的に強いので、強くなるにはできるだけ多くの強い人と戦う必要があります。Eスポーツの本場アメリカでは、毎月のように賞金が高い大会が開催されるので、それぞれが目の前の一勝を追うあまり、ライバルたちと協力関係を築けなくて、信頼できる練習相手がいないという状況があると思います。

僕は、目先のことを考えるのでははく、長期的なスパンで、周りにどんどんアドバイスしたり、発見した技や有利な戦い方を他のプレーヤーに共有したりするようにしています。周りのレベルが上がって、強い練習相手が増えることが、自分を高めることにつながると思うんです」

では、どのような助言をするのか? と聞くと、「情報を与えても意味がないので、戦う上での考え方や、情報の捉え方を助言する」のだという。

「例えば、相手との距離をとって戦う守備型キャラを使うプレーヤーがいたんです。レベルは高いんですが、伸び悩みの時期が来ていた。彼のプレイを見て、『お前の考えている安全は、実は危険の裏返しだ』ということを伝えたんです」

「安全が危険の裏返し」とはどういうことだろうか?

「格闘ゲームでは、モニター画面の端っこに追いやられると逃げ場がなくなってしまい、相手から攻められやすく、非常に危険なんです。なのに、そのプレーヤーは、何も考えずに後ろに下がるクセがついていた。その戦い方では、弱い相手なら安全に倒せるが、強敵には通用しないんですね。この場合、時にはあえて危険を侵すことも重要です。ダメージを負ってでも前に出て、相手を下がらせることで距離を取る、というパターンも見せる必要がある。結局、弱い相手を倒す方法の延長線上に、強い相手を倒す方法は無いんです」

そこそこの成功を狙う方法では、大きな勝ちを得られない。これはゲームだけでなく、ビジネスにおいても同じことがいえそうだ。

●“ウメハラ”は、常に先を見据えて行動している

梅原氏は、様々な動画サイトでの再生数が多い人気プレーヤーだ。彼のファンの間では、3本先取で行われる対戦において、「梅原は1ラウンド目で勝った後、2ラウンド目は手を抜く」という冗談めかしたネット上の定説があるが、本人にその意識はあるのだろうか?

「いや、的はずれですね。実際に全ての数字を集計すれば、2戦目だけ多く負けているということは無いと思います。ただ、自分の調子が良いときほど、『このラウンドは、相手の考えを知るために色んな動きをしかけるラウンドにしよう』と、無意識にプレイしているかもしれない。周りから見たら遊んでるように見えるのかもしれませんが、自分としては、常にその先のことを見据えたプレイをしているだけです」

前編で語ってくれたように学歴や実績が無い人材を登用し、ライバルにも手の内を明かしてしまう…。これらの一見合理的ではないやり方の全てが、実は徹底して自分の成長を考えたうえでの行動だったのだ。
(森 祐介)
梅原大吾(うめはら・だいご)1981年青森県生まれ。10歳頃から格闘ゲームに熱中し、15歳で国内大会、17歳で世界大会優勝。2004年、世界最大の格闘ゲーム大会EVOで、「奇跡の大逆転」として知られる名勝負を繰り広げ、世界のゲーム界に名を馳せる。その後ゲームを中断し、麻雀士や介護士を経て、2010年に米国企業と契約を結び日本人初のプロゲーマーとなる。現在は3つのギネス記録を持ち、プロ格闘ゲーマーとして世界中の大会に出場するほか、講演活動、ゲームの広報活動やゲームイベントの企画に携わっている。レッドブル、Twitch、ハイパーエックス、Cygamesのグローバル企業4社とスポンサー契約提携中
梅原大吾(うめはら・だいご)1981年青森県生まれ。10歳頃から格闘ゲームに熱中し、15歳で国内大会、17歳で世界大会優勝。2004年、世界最大の格闘ゲーム大会EVOで、「奇跡の大逆転」として知られる名勝負を繰り広げ、世界のゲーム界に名を馳せる。その後ゲームを中断し、麻雀士や介護士を経て、2010年に米国企業と契約を結び日本人初のプロゲーマーとなる。現在は3つのギネス記録を持ち、プロ格闘ゲーマーとして世界中の大会に出場するほか、講演活動、ゲームの広報活動やゲームイベントの企画に携わっている。レッドブル、Twitch、ハイパーエックス、Cygamesのグローバル企業4社とスポンサー契約提携中

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