日銀が今、最も懸念するのがコレ

長期金利が上がると、世の中どうなっちゃうの?

2004.07.08 THU

最近よく新聞などで見かけるキーワードに長期金利の上昇がある。実際、去年の今ごろは1%を切っていた長期金利が6月17日には一時、1.940%と、実に3年9カ月ぶりの高水準になった。長期金利は住宅ローン金利にも影響するので、金利の上昇がいずれローン負担増につながるのでは…というマイホーム購入者の心配も聞こえてくるが、実は問題はそんな単純なものではない。

そもそも長期金利とは、新しく発行される10年物国債の利回りが一般的な目安となる。金利が上がった、というのは何を意味しているのかというと、わかりやすくいえば、高い金利を用意しなければ国債の買い手がつかなくなっているということ。つまり、長期金利上昇とは、国債の価値の下落を意味するのである。そして実はコレ、日本銀行が最も心配している事態なのだ。

長期金利が上がると何が起こるのか。3つ解説しておきたい。1つ目は、国の財政を悪化させること。日本の巨額の財政赤字を支えているのが国債である。低い金利で国債が発行できていた時代は、発行コストが抑えられていた。ところが金利が高くなれば発行コストが上がり、借金がますます膨らんでしまうというわけだ。

2つ目は、長期金利の上昇=債券の価値の下落が、債券をたくさん持っているところを直撃すること。そう、バブル崩壊以来、国債をせっせと買い続け、巨額の保有高を誇る銀行や保険会社などの金融機関である。金融機関の保有する債券の価値が下落すれば、金融機関の資産が減ることになる。ようやく不良債権問題が落ち着きつつある金融システムに、さらなるダメージを与えかねないのだ。

そして3つ目は、回復中の景気に冷や水を浴びせかねないこと。企業の設備投資は景気を支える重要な要素。企業は長期で資金を借り、投資を行う。つまり、金利上昇は、設備投資の抑制圧力となるのである。

長期金利の上昇がニュースになるのは、至極もっともな理由があるのだ。

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