若手を抜擢! なんていうけど…

大胆な成果主義の導入は本当に僕たちにいいことなの?

2004.07.29 THU

『虚妄の成果主義 日本型年功制復活のススメ』(日経BP社)という本が売れている。いくつもの企業が成果主義の導入を失敗だったと感じていて、そもそも成果主義がよりどころとする「金銭的報酬による動機付け」は迷信にすぎない。一方、終身雇用、年功制の給料制度は、不安なく事業の成功に専念できる環境を提供するもの。成長企業には有利なシステムと欧米では認められている――という趣旨の本だ。

確かに、「若手を大胆に抜擢する制度が導入されると聞いて逆に白けてしまった」という話も聞く。査定において個人の努力と能力を正確に点数化するのは不可能だ。だから強引に点数化すると採点がゆがんでしまい、査定に納得がいかず白けてしまうケースがあるのだとか。

バブル崩壊後の低迷期、各社は生き残りかけてグローバルスタンダード経営に移行。成果主義はその目玉だった。しかし、導入してみると、業績のよくない会社を中心に、社員の不満がますます高まる会社も増えてきた。組織がメタメタになって、やっと弊害も認識されるようになったといえる。

一方で、トヨタやキヤノンのように終身雇用を明言、業績もいい会社では成果主義を導入してうまくいくケースもある。単純に、「成果主義を業績アップ、生き残りの切り札」と考えるのは間違いだったのだ。

経済が低成長の時代に社会人になった僕らの世代は、大金を稼ぎたいというよりも、自己成長を感じつつ面白い仕事をしたいという人が多い。ところが、仕事の面白さを求めても、大胆な成果給の会社だと報酬に目を奪われていまい、仕事本来の面白さを感じられなくなる危険性もあるのだとか。

では、年功制と成果主義、どちらがいいのだろう? 年功制は安心して働けるのがメリットだが、若いうちから大きな仕事は任せてもらえない。一方、大胆な成果主義は自分の才覚で勝負できるが、安定した人生設計を立てるのは難しい。要はあなたがどちらに向いているか、なのだ。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト