バスもトラックも廃食用油で走る日は間近?

年間40万トンの廃棄食用油はダイヤモンドの原石だった!?

2004.07.29 THU

天ぷらや揚げ物、油炒めなど、我々の食卓を支えている食用油。年間廃棄量は約40万トンもある。その半分近くはレストランや食品工場などの業務用の廃食用油で、9割近くが家畜の飼料や石鹸、塗料の原料としてリサイクルされている。しかし残りの約20万トンは家庭から出されるもので、燃えるゴミとして捨てられているのが実情だ。

捨てられる廃食用油は、実は“ダイヤモンドの原石”。不純物を取り除き、水分を飛ばし、化学反応を起こさせる。するとメチルエステルと呼ばれる「バイオディーゼル燃料」ができ上がる。これは軽油を燃料とするディーゼル車に、改造することなく使用できるのだ。

京都市では97年から220台すべてのゴミ収集車に、同年自由が丘ではコミュニティバスに、また玉川高島屋では98年から新館と本館を循環するバスに用いられている。ちなみに海外では、菜種油と軽油を混合したバイオディーゼル燃料が市場に出回っているが、廃食用油を再利用している例はまだまだ少ないようだ。本来捨てられるハズの廃食用油が再活用されることは、資源の有効活用という面で環境に優しい。実際、酸性雨の原因である硫黄酸化物は発生せず、大気汚染の原因である黒煙は軽油(ディーゼル)の3分の1以下。

だが、イイことずくめでもないようだ。VDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)と呼ばれるバイオディーゼル燃料を精製している、染谷商店に話を聞いたところ「軽油とVDFでは排出ガスに違いがある」という。リサイクルや大気汚染といった観点では優れているが、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)の排出については改善の余地があるという。そんな状況を知ってか知らずか、国土交通省が06年3月までに「バイオディーゼル燃料専用車」開発を推進すると発表。計画通り進めばNOxを半分以下、PMを4分の1まで抑えられる。40万トンの廃食用油が、資源となる日もそう遠くないかも。

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