ついに原油価格が過去最高値を更新!

高騰を続ける原油相場世界経済はどうなる?

2004.10.14 THU

原油相場は9月末、過去最高水準となる1バレル=50ドル台に達した。原因は、アメリカの石油精製施設が集中するメキシコ湾岸が相次いでハリケーンに襲われ、原油在庫が減少したためだ。この結果、世界の投機資金が原油市場に殺到し、原油価格の高騰を招いてしまった。

原油高のよる景気への影響が懸念されるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)は、日本の公定歩合にあたる短期金利の誘導目標を年1.5%から1.75%に引き上げた。これは、短期金利の引き上げで景気の過熱を抑える動きである。どうも、原油高による景気後退の懸念を甘く見ている節があるのだ。対照的に、国際エネルギー機関(IEA)は、1バレル当たり10ドル上昇すると、世界経済の成長率は0.5ポイント、日本経済は0.4ポイント押し下げられると予測。原油高による成長鈍化を指摘している。

ここで重要なのは、原油高の影響は、相場のピークから半年後ぐらいに現れるという点だ。高値で契約された原油や、原油から作られる各種原材料が使われ始めると、当然ながら生産コストが押し上げられる。つまり、企業の収益を圧迫するのにはタイムラグがあるのだ。財務省が9月に発表した『貿易統計』(速報)では、原油価格は前年同月比35%も上昇し、輸入総額を押し上げた。この結果、日本の製造業の経常利益は2~3%程度押し下げられるという予測もあり、来年以降、じわじわと原油高による影響が現れることになりそうだ。

一方、産油国は諸手をあげて原油高を喜んでいるわけではない。原油高が続くと相場の暴落につながりかねないからだ。1バレル=24ドルを記録した90年の場合、その後10ドル近くも相場が下がる“しっぺ返し”をくらった。もしハリケーン被害やイラク問題が解消されたとしても、原油相場がなお40ドル台を睨むならば、世界同時不況を迎える危険性もある。今後も原油相場から目が離せない。

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