東証が上場規定を強化する?

上場するために必要な条件ってどんなもの?

2004.12.16 THU

グループ企業が保有する株式の比率を過小に有価証券報告書に記載していた虚偽記載で、上場廃止にまで追い込まれた西武鉄道。経営が破たん状態にない企業が上場廃止になるのは極めて異例で、なんとも厳しい処分だと感じた人も少なくないはず。だが、最大のポイントは廃止理由として東証が挙げた「公益や投資家保護の観点から」という言葉にこそある。

そもそも企業は、株式市場に上場することで、資金調達などの大きなメリットを享受することができる。そして多数の投資家が株式を売買できることになるわけだが、投資家にとって投資の判断材料は企業が提供する情報しかない。適切な情報開示は、証券市場の生命線なのだ。

今や世界中から投資資金が集まり、外国人投資家が2割以上を占める国際市場になっている日本の株式市場。虚偽の情報は、その企業だけでなく証券市場全体の信頼を損ないかねない。だからこそ、東証は上場廃止という厳しい処分を下したのであり、金融庁も「ディスクロージャー(情報開示)制度の信頼性確保に向けた対応について」と題した発表をすぐに行っている。東証や金融庁は相当な危機感で対処を急いだのだ。

では、親会社の持つ株式の比率が多いと何が問題なのか。株価は、欲しい人と売りたい人のバランスによって決まる。市場で流通している株数が少なければ、株価は乱高下しかねないのである。実際、ベンチャーの上場では急激な株価の乱高下があるが、それは上場時の発行株数が少ないからだ。

どの証券市場よりも厳しい上場基準があり、「上場させないための基準」(証券関係者)とまでいわれる東証一部市場だが、他の市場の上場基準と比べて最大の違いは、求める公開時株数と株主数のケタ違いの多さにある。株式の市場流通数はそれほど重要なのである。

東証は90年以降、さまざまな規制強化を打ち出してきたが、規制以前に上場した企業は適用除外となっていた。今後の行方に注目しておきたい。

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