200億円の判決が二桁ダウン!

中村修二教授が発明した「青色発光ダイオード」どこがすごい?

2005.02.17 THU

個人の研究者への「発明の対価」をめぐる訴訟で、請求額全額にあたる約200億円という地裁判決(2004年1月)は衝撃だった。それから1年後の今年初め、一転して約6億円(遅延損害金を含め約8億円)で和解したというから、二度びっくり!

争点となった発明は、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授による「青色発光ダイオード(LED)」。訴えられたのは中村教授のかつての勤務先である日亜化学工業(徳島県)だ。会社から青色LEDの実用化に関して、開発に貢献した中村氏に支払われた謝礼がたった2万円だったことから始まったこの裁判だが、中村氏は高裁での無残な結果に、「日本の司法制度は腐ってる!」と記者会見で声を裏返して怒りをぶちまけた。

訴訟の事情に詳しい関係者も驚きを隠せないようだ。「和解は中村氏の完全な敗北。しかし裁判の流れをつぶさに見てきた私には対価が6億円という金額になった根拠がわかりません。司法の“説明責任”が全く不十分です」(経済ジャーナリスト)

日亜化学は青色LEDのおかげで大ブレーク中の中堅企業。街中の信号機や携帯電話の表示装置、街の大型スクリーンなど、青色LEDの用途が広いからだ。そういえば新型の信号機やクリスマスのイルミネーションなどで青い光が鮮明になったと感じた人は、すでにこの技術の恩恵を受けているのだ。「LED」とは電気を通すとさまざまな色に光る半導体で、従来の電球や蛍光灯に比べて格段に寿命が長く、消費電力も少ない画期的な光源。ところが光の三原色である赤・緑・青のうち、青だけが「20世紀中には実現不可能」とされていた。それを93年にあっけなく実現したのが中村氏だった。

「技術者の夢」を託して4年も続けられたこの訴訟、和解金の大部分は税金と裁判費用で消えるらしい。エネルギー効率はいい技術なのに、裁判にかけた費用と労力の見返りは、かなり効率が悪い。

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