昨年は6兆8210億円が売れた!

「個人向け国債」ってそんなにおいしいの?

2005.06.02 THU

ペイオフ全面解禁で預貯金から他の金融資産への移行が起こるとは言われていたが国債がここまで売れるとは財務省も予想していなかっただろう。昨年「個人向け国債」が予定の3倍以上の6兆8210億円も売れたのだ。

国債とは、国が発行する債券。資金を調達するために発行するもの。極端に言ってしまえば、満期までの間、国がする借金を国債購入者が肩代わりするようなものだが、「個人向け国債」はこれまで販売されていた「国債」とはちょっと違う。かつての国債は、購入すれば10年間の満期までの間、利率は据え置きだった。つまり、買った後に金利が上がっても、自分が持っている国債の利率はそのままだった。だが、03年3月から新しく発行された「個人向け国債」は、金利が変動していくのだ。一般的に景気が良くなりそうなら上がり、悪くなりそうなら下がるのが金利。世の中の動きに、持っているまま対応できるのだ。実際、03年の「個人向け国債」の第1回の利率は0.09%だったが、今年の第10回には0.73%になっている。

「個人向け国債」は、1月、4月、7月、10月の年4回、発行される。1万円から購入が可能。半年に1度、市場の状況に即して金利が見直され、年に2度、利子が受け取れる。購入にあたっては、専用の口座を開設する必要があるが、開設手数料や口座管理料などが無料の金融機関もある。元本保証であるにもかかわらず、預貯金の金利に比べれば魅力的な運用が期待でき、さらには金利が変動する醍醐味も味わえる点が大ヒットの要因といえるかもしれない。

しかし、である。国の借金は地方と合わせて800兆円超。多くの日本人は、この巨額の借金に大いに嘆いているのだが、この大部分こそ国債。嘆く一方で、資産運用の手段としては“借金がおいしい”状況になっているのだ。加えて金利が高くなれば、それだけ国の負担も増え、借金はますます重くのしかかる。日本はなんともややこしい状態に陥っている。 

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