日本の高齢化問題を解決するか?

葉っぱで1000万円稼ぐおばあちゃんが徳島にいた!

2005.06.09 THU

狸に騙されたような本当の話。やって来たのは奇しくも阿波の金長狸で有名な徳島県勝浦郡上勝町。人口わずか2200人の山深い農村だ。

株式会社いろどりでは、温泉旅館や料亭、結婚式場などの料理に添える「ツマモノ」を全国の市場に出荷している。今年で創業19年を迎え、ツマモノ事業単独で累計販売高はなんと20億円を突破したという。生産者は主に高齢の女性で、なかには1000万円プレイヤーもチラホラ。

この町の至るところに茂る草木を販売する「彩事業」を考案したのは、当時農協に勤めていた横石知二さん(当時25歳・現在同社代表取締役副社長)。

昭和56年冬の寒害で、町の基幹産業であるミカンが大打撃を受けた。離農者や転出者が後を絶たない状況で、「この地域で何ができるのか」を考えた横石さんが、ヒントを得たのが大阪の寿司屋だった。

「隣の女性客が料理に添えられた葉っぱをグラスに浮かべたりして、楽しそうに遊んどったんです。そんなものは町内に戻ればいくらでもある。軽い葉っぱなら出荷は高齢者にもできる。『これはいけるな』と」

都会と田舎。環境の違いをビジネスチャンスと捉えた横石さんの読みは当たった。当初はほとんど売れなかった商品も、料亭通いの試行錯誤で売り上げを伸ばした。

現在、町内の寝たきり老人は2名。田舎のコミュニティと化している病院に高齢者が入り浸ることもなく、医療費は近隣市町村と比べ4億ほど節約できている。横石さんいわく「これぞ究極の産業福祉」。

「事業の成功で町内の雰囲気も変わりました。お年寄りが明るく暮らす姿を見て、安心した働き盛りや若い世代の方に『今自分は何をすべきか』という意識が芽生えた」

今やU・Iターン希望者が殺到するほど。高齢化社会が生み出す、医療費の高騰や財政難、少子化問題まで一気に解消しそうな勢いの彩事業。徳島の山村に、日本の将来を明るくするひとつの糸口を垣間見たような気がした。

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