新興株式市場に異変あり?

東証マザーズ上場数が大幅減ベンチャー企業への影響は?

2005.07.07 THU

新興企業向け株式市場である東証マザーズへの新規上場(IPO)のペースが落ちている。昨年は56社あった新規上場が、今年は6月末現在で12社どまり。同じく新興企業向け株式市場であるJASDAQの38社に大きく水をあけられている。このペースダウンについては次の2つの要因があるようだ。

1つは、自ら株式上場を狙う東証自身の問題。そもそもマザーズは、2002年に上場基準を緩和し、「新規性」という条件を外して「高い成長可能性」があれば上場できる基準に切り替えた。現に、東証直系の市場上場基準が緩いとされ、昨年は過去最高の新規上場数を記録している。

しかし、IPOの間口を広げたことが仇となった。昨年、某中古マンション販売会社が情報開示の不備で上場後3週間で営業停止処分となり、東証は金融庁から「上場審査の不備」で行政処分を受けている。また、某ソフトウエア開発会社の粉飾決算も発覚。東証としてはこれ以上の不祥事はまずい…と、今年は上場審査を厳しく設定しているといわれているのだ。

もう1つの要因は、「売り出される株式を一般に販売する引受証券会社が、IPO株の取り扱いに及び腰になっている」点。引受証券会社は、上場の世話をして引受手数料を得ている。ところが近年、「高い成長の可能性」をアピールしながら客観的に証明できない企業も少なくない。市場関係者の間では、「上場後にトラブルが起これば、株式公開を引き受けた証券会社の責任が問われることを恐れているのでは?」という見解で一致しているのだ。

 株式公開で得た資金を事業成長に使いたいと願うまじめな経営者は、はたして自社の都合で株式上場基準を引き上げる取引所や、IPO株の取り扱いに消極的な証券会社と信頼関係が築けるのだろうか? 現在、ヘラクレスも大量の注文にシステムが対応できず、11月まで新規上場の申請受付を停止中。いま、日本の新興企業向け株式市場は迷走している。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト