主力商品の特許が期限切れに…

医薬品業界の「2010年問題」って知ってる?

2005.09.01 THU

医薬品業界では2010年問題が懸念されている。主力商品の特許が、2010年前後にどっと期限切れを迎えることになるというのだ。

医者の処方箋が必要な医療用医薬品には2つの種類がある。新薬ともうひとつ、特許期間が満了した後に発売されるジェネリック医薬品だ。特許がオープンになり、どの医薬品メーカーでも作れるようになるため、価格はぐっと安くなる。価格は3割も、ものによっては8割も安くなるものもあるという。医療費の高騰に悩む先進国では、このジェネリック医薬品が積極的に活用されている。その利用割合は、欧米諸国では新薬をしのいで半分以上になるという。

日本の医薬品メーカーの主力商品の特許切れとは何を意味するかといえば、ジェネリック医薬品の参入によって利益が大幅に減ってしまうということだ。アメリカでは、特許切れの直後にジェネリック医薬品が続々市場に投入され、わずか数カ月で売り上げが8~9割も減ってしまったケースもあるとか。世界規模で販売している医薬品ほど、ダメージは大きなものになるのだ。

アメリカで特許切れになる代表的な医薬品をみてみる。武田薬品工業の消化性潰瘍治療剤「タケプロン」が2009年。アステラス製薬では、排尿障害改善剤「ハルナール」が2009年。三共の高脂血症治療剤「メバチロン」が2006年。エーザイのアルツハイマー治療薬「アリセプト」が2010年…。いずれも売上高1000億円以上の各社の代表商品だ。

特許が切れても、別の新薬があるなら問題ない。実際にこれまで日本の医薬品業界は、主力商品の特許が切れる前に大型新薬を出してきた。ところが2000年以降、主力商品クラスの開発がペースダウン。新聞報道などによれば、国内の新薬の製造承認数は、1994年に25あったものが、2004年に5まで減っているというのだ。それでも各社は新薬開発に奮闘中だ。画期的な新薬開発は我々もうれしい。頑張って金の卵を生んでほしい。

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