実はこれぞ相場のヒント?

バブル期の3倍以上を記録「出来高」の意味するものは?

2005.10.27 THU

株価が低迷していた3年ほど前、証券関係者からこんな話を聞かされたのが印象に残っている。

「証券マンは日経平均の上がり下がりだけに一喜一憂したりはしない。最も注意して見ているのは、出来高。出来高がたくさんあって、しかも株価が上昇基調にある。これこそ、株価が伸びるシグナルだ」

出来高とは、取引が成立した株式数のこと。新聞やネットの株式情報欄でも必ず載っている。以来、株価だけでなく、出来高に注意しながら相場や銘柄を眺めてきた。その出来高が、史上最高を記録している。9月下旬には、連日30億株を突破。毎日のように史上最高記録を塗り替えるような状況が続いている。日経平均3万8915円という、今から考えれば途方もない数字を作ったバブル絶頂期ですら、実は出来高は1日平均10億株程度だった。それが3倍以上の30億株である。証券関係者が仰天しているのはいうまでもない。

実際、株価は9月上旬に上昇に転じて以来、絶好調を維持している。注目は鉄鋼、銀行など、「景気関連銘柄」といわれる業種が元気なこと。本格的な景気回復への期待感から積極的な買いが集まっているのだ。だが、これほどまでに出来高が膨らんだのは、別の理由もある。80年代にはなかったネット利用の株式投資だ。1円、2円でも上昇すれば、すぐに利ざやを売り抜く。そんな短期売買を頻繁に繰り返す投資家が増えているのだ。ネット証券でも、取引ごとの手数料ではなく、何回取引しても1日の手数料は同じ、というプランを用意する会社が増えていることが背景にはある。

だが、そんなネット取引の急増も、証券関係者からは好意的に受け止められているようである。実は出来高が意味するのは、たくさんの投資家が市場に参加しているかどうか、なのだ。市場への参加者が増えれば、それだけ相場は活性化する。上昇が見込めるからである。一人ひとりの取引額は小さくても、ネット投資家の影響力は今や想像以上に大きいのである。 

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