原油高はマイナスばかりじゃない?

オイルマネーが日本に流れ込んでくると…

2005.11.10 THU

1年半で2倍以上になってしまった史上空前の原油高。燃料の高騰やプラスチック原料の値上がりで今や、あらゆる業界が悲鳴を上げている。そろそろ一般国民にも物価高が直撃しそうな雰囲気だ。だが、この迷惑千万な原油高、実は悪い話ばかりではないことは意外に知られていない。

原油高といっても、産油国に問題があって高騰しているわけではない。需要の急増を見越して、先物市場で勝手に値段が上がっているのだ。つまり、原油を出す側にとっては、これまでと変わらないコストで、2倍の値で売れているのである。値上がり分は、そのまま産油国のポケットに入るのだ。実際、中東の石油輸出国機構(OPEC)加盟国やロシアなどの原油収入は、2年前の2500億ドルから4300億ドル超と大幅に増加している。

産油国の多くは、先行き石油が枯渇してしまった場合に備えて、「将来世代ファンド」という基金を持っている。原油高で生じた余裕資金は、こうしたファンドを通じて世界の金融市場で運用されている。これが「オイルマネー」だ。日経平均株価は8月初旬から1割以上も上昇しているが、実は新たなオイルマネーが一役を担っているともいわれている。実際、東京証券取引所の海外投資家地域別株券売買状況では、日本に特にヨーロッパからの資金が大量に入ってきている。産油国の多くはヨーロッパを投資の拠点とすることが多い。ヨーロッパ経由で投資が行われたようなのだ。

そればかりではない。「オイルマネー」でゆとりができ、石油関連プラントなどの設備投資ニーズも拡大中。プラント建設会社などには、絶好のチャンスが到来している。もっと言うと、特に中東の湾岸産油国は今、成長国の仲間入りを果たそうとしている最中。道路、発電所、ビル、海水淡水化設備などの建設ブームで、電気、自動車などの市場も急拡大している。実は日本にとっては、資金を潤沢に持った、いいお客さまだったりもするのである。

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