2005年度決算見通しで鉄鋼が絶好調

オールドエコノミーが、なぜ今、最高益なの?

2005.11.10 THU

鉄鋼大手4社が2005年度連結決算見通しを発表。なんとバブル期に記録した最高益を、そろって更新する見通しだという。しかも、2年連続での過去最高の経常利益更新なのだ。鉄鋼といえば、ITバブルのときに「オールドエコノミー」の代表格とも目された業界。あのころは、オールドエコノミーにはもはや未来はない、などといわれたが、まったくの嘘っぱちだったようである。鉄鋼は中国特需が吹いたから、という見方もあるが、実はそれだけではないのである。

たしかに鉄鋼業界には厳しい時代が続いた。バブル崩壊後は、なかなか利益が上がらず、1999年にはカルロス・ゴーン日産社長の登場で始まった改革で鋼材調達コストが切り下げられ、いわゆる「ゴーン・ショック」で価格競争が激化。2001年には赤字決算が相次いだ。危機感を抱いた各社が挑んだのが経営統合や資本・業務提携。価格交渉力が高まり、シェア重視から収益重視へ、という転換を実現させた。

一方で1973年に粗鋼生産量がピークをつけた日本の鉄鋼業界は、徹底したコスト削減に取り組んできた。過去10年間で従業員数は半減。現在も規模は小さくなっているものの、年間400~500億円のコスト削減を実施しているという。そしてぜい肉が取れ、筋肉質になったところに吹いたのが中国特需だった。もうかる構造を作っていたから、もうかったのだ。そう考えると、結局のところは経営なのである。的確で大胆な経営さえすれば、「オールドエコノミー」でも優れた企業を作れるのだ。

ちなみに中国では、国内で鉄鋼業が勃興中。ここ数年、日本トップの新日鐵クラスの会社が年間1、2社誕生する勢いで増産しているという。となれば、鋼材価格の下落は避けられない。しかし今のところ日本の鉄鋼メーカーは、自らによる減産や、高付加価値製品へのシフト、納入先との交渉力の高さによって値崩れを防ぐことに成功している。やはりここでも、経営能力がモノをいっているのである。

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