日本のM&Aが世界2位に…

M&Aの増加は、日本経済にとっていいことなの?

2006.02.16 THU

ライブドア事件でイメージを悪くしてしまったかもしれないM&Aだが、戦略的なM&Aが企業にとって重要なものであることには変わりはない。実際、戦略的なM&Aを繰り返すことで、高い評価を得ている企業も多い。セブン&アイが西武・そごうを傘下に収めることを発表すると、株価が急騰したことは記憶に新しい。今やM&Aの多くは、企業にとって間違いなく評価の対象だろう。

アメリカの調査会社トムソンファイナンシャルの調査によれば、日本企業が関係するM&A件数が、2005年は2552件と過去最高に、世界でも4位から2位になったという報道があった。M&Aの増加は時代の流れであり、日本経済にも悪くない話、と評価されている。だが、それはあくまで全体の話。もし自分がM&Aの当事者、とりわけ買収される側となれば、そんな他人事の評価はできないかもしれない。

かつてM&Aの専門家に取材したとき、面白い話を聞いた。日本のM&Aは、実は「やらざるを得ないM&A」が多いのだと。仕方なくやるM&Aだ。「戦略的なM&A」のほうが少ないというのである。実はこれこそが、「買収されたら…」という不安感の最大の要因なのではないか。後ろ向きのM&Aに巻き込まれたら、たしかに不安は大きい。組織はバラバラにされ、人は減らされ、給料まで下げられるかもしれない。

しかし、もし前向き、戦略的なM&Aで「どうしてもほしい」という思いで買収されたならどうか。新しい経営陣は、買収企業にひどい仕打ちをするだろうか。そもそも買収する側だって、失敗したら責任を問われるのだ。買収企業の士気が下がり、業績が下がれば、ダメージを被るのである。

先のM&Aの専門家は、日本のM&A市場の成熟度はアメリカの30%程度だと言っていた。日本の市場はこれから拡大し、成熟していくと。そもそも企業は「よりよい企業になるために」M&Aを行うということだ。そう考えると、M&Aは悪くないもの、のはずなのである。

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