日経平均1万7000円台へ!? しかし…

株価が上がると国の財政が苦しくなる!? どうして?

2006.05.11 THU

住宅ローンや預貯金の金利が上がり始めている。これも景気が良くなってきたひとつの証拠だが、債券(国債など)を発行することで多額の資金を調達している政府はちょっと渋い顔を見せている。いったいなぜなのだろうか?

そもそも債券は、借金をする際に発行するいわば“借用証書”である。債券の利回りは市場金利(10年物国債の長期金利)にある程度連動するため、長期金利が上昇傾向になるとその利息の支払額は増える。つまり、国はいままで低金利で国債を発行してきたが、このまま金利が上がると国債の利息が増えてしまい、国は懐事情が苦しくなってしまうというわけだ。財務省の試算によると、06年度の公債残高は、金利が1%上がるだけで年間1兆5000億円も増えてしまうというのだ。

財務省は現在2%の長期金利をベースに06年度の国債の利息を計算している。ところが、国が新規発行する10年物の長期国債の利回りはここ数カ月で大幅に上昇。4月には約5年半ぶりに一時1.9%台に到達し、年内に2%を超えるとの見方が広がっている。これでは、たとえ景気がよくなって一般企業からの税収が増えたとしても、国債にかかる金利負担も増えてしまうので、国の台所事情は厳しいままだ。

また、景気が良くなると株価が上がるため、株を買う企業や個人が増える。現に、この春の個人向け国債の販売総額は1兆8168億円で、前回(昨年冬)に比べて減少。いまは相対的に株の人気が高まり、債券の価値が下がっている状況なのだ。

とはいえ、このまま国債が暴落して日本経済が混乱するわけではない。日銀が長期国債の買い入れを続けているし、需給バランスが働いて債券の利回りが中長期的に株式投資の利回りよりも高まれば、債券の人気が回復する可能性もある。金利はまだまだ上がりそうだが、国の財政事情はこういった絶妙のバランスの上に成り立っているのだ。

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