中国の外貨準備高が世界一に

日本も中国も、なぜこんなにドルを買うの?

2006.06.29 THU

中国が外貨準備高で世界一に躍り出た。今年1月時点で8487億ドル。長く世界トップを走っていた日本の8389億ドルを上回ったわけだが、「ここでも中国が躍進」なのかといえば、そう単純な話でもないらしい。

外貨準備高とは、国が保有する外貨などの総額。だが、実はそのほとんどはドルがらみだったりする。ドルは世界の基軸通貨。対外支払い能力について信用力の低い国は、ドルをたくさん持っている、つまり外貨準備高が多いことが信用力につながるのだ。しかし、日本も中国も、もはやそんな状況にはないし、そもそも巨額のドル資産がすでにある。ところが、日本は2003年に20兆円ものドル買いをしたし、中国は相変わらずの積極的なドル買いを続け、世界一、二位の外貨保有国になってしまった。

なぜなのか。円(元)高ドル安をなんとか防ぐため、政府がドル買いの為替介入した結果がこれなのだ。日本の産業構造は輸出中心。アメリカは最大の輸出相手のひとつ。輸出代金はドルで受け取る。受け取った業者は国内で円に交換する。すると、円は需要が高まる。為替価値が上がる。これが円高の要因のひとつになる。だが、円高を放置しておくと輸出産業が壊滅的な打撃を被る。大手自動車メーカーは、1円の円高で100億円単位の利益が吹き飛ぶといわれる。これが国内の景気に悪影響を及ぼさないわけがない。だから円高を阻止したい。そこで、円を売って、ドルを買い、円安に向かわせる為替介入に踏み切る…。

実は買ったドルはほとんどがアメリカ国債で運用される。なんのことはない、日本や中国が為替介入で買ったドルは、アメリカの巨額の財政赤字を支えているのだ。しかもこの国債、売るに売れないはず。だって、もし国債を売ったら、ドル下落→円高なのだ。もしかして産業構造が変わらない限り、日中はドルを買い続けないといけない? 対外支払いには困ることはないかもしれない。しかし、あまり健康的なお金とはいえなさそう、なのである。

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