これからますます増える?

TOB旋風が日本に吹き荒れる背景って?

2006.09.28 THU

製紙業界に紳士服業界…。この夏、日本で吹き荒れたのがTOB旋風。最終的に、どちらも敵対的なTOBは成立しなかったが、これで一件落着なのかといえば、そうではない。むしろ敵対的TOBをはじめとした業界再編は、これから頻発しそうなのだ。

製紙業界もそうだが、日本は業界の序列や順位を大事にしてきた。いわば業界全体で波風を立てないことが美学だった。ところがその秩序をゆるがした今回の騒動。背景のひとつは、厳しいグローバル競争である。日本で業界トップといっても、今や競争は世界規模。実は世界では安穏とできる地位にあるわけではないケースは多い。製紙業界トップの王子製紙も世界ではトップ10の下位。しかも世界のトップ企業の売り上げの半分以下に過ぎない。

しかも来年5月からは、株式交換によるM&Aが解禁される。つまり、外国企業はキャッシュを用意できなくても、自社の株式を使って相手企業を買収可能になる。こうなると大きな意味を持ってくるのが、株式時価総額。しかし流通や精密機械、飲料などを見ても、日本ではダントツの有名・優良会社が、世界トップ企業の半分の時価総額にも満たない、なんてことはザラである。なかにはトップ企業の2割程度、1割程度の時価総額しかない業界もある。そして今や世界では、大規模な世界的企業によるM&Aが続発しているのだ。

日本企業は今、国際競争に勝ち抜き、さらには外国企業からの買収を逃れるために、どうすべきなのかが問われている。もはやおしりに火がついている状態なのだ

ん?紳士服業界は国内産業じゃないかって? 実は国内で展開する企業にとっても、グローバル競争は人ごとではない。世界の市場で鍛え抜かれ、コスト競争力も持った流通企業が日本に上陸、質のいい格安スーツを売り出したりしたら…。海外展開していない企業でも、国際競争に巻き込まれてしまう可能性はあるのだ。TOBも明日は我が身、の時代なのである。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト