すったもんだで1年延長決定

「株投資税優遇」って、僕らにとって、どうなの?

2007.01.11 THU



イラスト:牧野良幸
2007年度税制改正大綱で、注目の制度の期限切れの1年延長が発表された。上場株式や株式投資信託の売却益と配当について、20%の税率を半分の10%とする優遇措置だ。実は株で儲けたお金にかかる今の税金は、本来の半分で済んでいたのである。

2000年代初頭、株式市場は散々な状況だった。2002年末の日経平均株価は、8578円と今の半値。低迷する株式市場をてこ入れするため、政府がとったのが株投資税を優遇して投資家を集める措置。しかし、売却益は07年末まで、配当は07年度末までの、あくまで期間限定だった。

制度の導入時から株価は大幅に回復。目的は達したとの声は財務省から上がった。背景にあったのは、金持ち優遇批判だ。財務省によれば、全所得者のうち株式や投信を保有するのは12%。だが、金融資産1億円以上5億円未満の富裕層に限れば39%、5億円以上の超富裕層では56%にのぼる。つまり、金持ちほど株式保有率は高く、優遇比率も高いということ。対して、優遇措置の継続を求めたのが証券業界や金融庁。廃止は、市場に悪影響を与えるというのだ。実際、昨秋に政府税調から廃止方針が出ると、東京株式市場では外国人投資家の売りが増えたという。東証理事長のコメントとして「廃止は暴挙だ」という報道もあった。

結論は先送りされたが、僕らにとっては、優遇制度はプラスなのだろうか。たとえば、多くの人が使う預貯金の利子にかかる税率は20%。株投資の2倍である。また、所得が330万円から900万円の人の税率も20%。株で500万円儲けたら税金は50万円だが、汗水たらして1年働いた500万円にかかる所得税は控除を差し引いても67万円と多くなる。だが、株式市場の活性化は経済には欠かせない。そこに参加し、株投資というリスクを取った人へのご褒美という意味合いも忘れるべきではない。簡単に金持ち優遇と割り切れたりしないともいえる。この微妙さを理解しつつ、1年延長を受け止めておく必要がある。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト