よく新聞で見かけるけど…

「偽装請負」っていったいどういうこと?

2007.03.08 THU



イラスト:サワベキョウコ@アドマンガ
昨年の秋からよく見かけるニュースに「偽装請負」がある。日本を代表するメーカー各社が行政からの指導を受けた。何が「偽装」なのだろうか。

工場で働く労働者には、いくつかの雇用形態がある。正社員、契約社員、期間限定社員、派遣社員など。派遣社員を除けば、企業との直接の雇用契約であり、仕事の現場においても企業からの指示で仕事をし、企業が安全管理を行う。派遣社員の場合は、雇用契約を結ぶのは派遣会社だが、仕事の指示は企業から受け、安全管理は派遣会社と企業双方が行う。これらの雇用形態では、仕事の指示は企業から、さらに安全対策についても現場の企業が目を光らせるのだ。

では、請負とは何か。本来の請負は、企業から独立して仕事をし、その独自のノウハウや設備で生産した“商品”を企業に納めることをいう。対価は“仕事の完成”であって、労働ではない。また、請負会社で働く労働者には請負会社が仕事の指示をし、安全管理を行う。ところが、請負会社が商品を納めずに、人だけ送り込むケースが出るようになったのだ。これが「偽装請負」である。本来、請負会社が行うべき現場での仕事の指示を企業側に任せ、使用者責任や安全管理責任は宙ぶらりんの状態に。請負労働者は同じ仕事をする人が得られる労災などの権利を得られないまま仕事をせざるを得ない。労働基準法や職業安定法、労働者派遣法などに抵触するのでないか、と指摘されているのだ。

実は「偽装請負」は昔からあった。実態がなかなか表に出なかったのは、企業側にも請負側にもメリットが大きかったから。企業は直接雇用ではないので人件費アップを避けられ、人員調整も容易。請負側は人さえ確保できれば、高い技術スキルがなくても事業が営める。だが、2004年の派遣法改正で製造業への派遣が認められるなど、労働環境の整備が進むなか、雇用側の義務や責任が明確に問われ始めた。この問題、まだまだ広がりそうだ。


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