1年前倒し解散の国策企業

400億円近い利益を出し解散した産業再生機構の成果

2007.04.05 THU



写真提供/時事通信
失われた10年の終焉、と位置づけたメディアもあった。国が民間企業の再建支援に乗り出した異例の国策企業、産業再生機構が解散したのである。予定より1年早い解散は、“業務が終了したから”。しかも、再建企業の株式売却益などで、400億円近い利益が出るという。十分な結果、そしてこの潔さは、機構の“プロの仕事ぶり”を象徴している。

産業再生機構は2003年4月に誕生した。再生を引き受けたのは、経営資源があるのに過大な借金を背負ってしまった企業。貸出債権を銀行などの金融機関から買い取り、不採算事業を整理したり、資金を貸し付けたり出資したりして事業を立て直し、新たな民間スポンサーに売却していくのが、その再建手法だった。

機構といえば、金融支援のイメージが強い。だが、考えてみれば借金を整理するだけで、瀕死の企業が蘇ったかどうか。機構の実力は、財務再生だけでなく、事業再生にもあったことを忘れてはなるまい。再生には、ピーク時に224人いた“職員”が、実は事業再生の現場に投入されていたのだ。金融、経営、会計、法務など、幅広い分野から集まった精鋭たちは、勤めていた企業を辞め、公募で入社した人も多かった。なかには収入が10分の1になってしまった人もいたという。いずれ自分の職場はなくなることを認識しながら、自ら機構に身を投じる…。実は、こうした本物のプロが、事業の再生を後押ししていたのだ。

解散前、幹部の一人にインタビューしたことがあるが、機構がうまくいった最大の理由は、こうしたプロの人材が機能したことにある、と断言していた。“メジャーリーガー”を採用し、組織も彼らが活躍できる仕組みに徹底してこだわったのだ。

機構は多くの企業を救ったが、実は最大の成果は、企業再生の真のプロを作ったことにある、という声がある。塩崎官房長官も同様の発言をしていた。機構にいたプロたちは、多くが独立した。これからの活躍にも、大いに期待したい。


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