現代農業が抱えるパラドックス!?

採れすぎた野菜の悲しい末路「産地廃棄」を真剣に考えてみた

2007.04.26 THU

「産地廃棄」って言葉、みなさんご存じですか? 産地廃棄とは好天で野菜が採れすぎた場合、価格の低下を防ぐため、育った野菜をそのままトラクターなどで踏み潰し、出荷量を調整するという乱暴な施策のこと。近年、消費者から「もったいないYO!」と批判が集中。これに対し、農水省は今年2月に産地廃棄にかわるアイデアをインターネットで一般から募集。…開きなおり!?

しかしながら、産地廃棄の背景はかなり複雑だ。そもそも野菜作りは天候に大きく左右され、作る量をコントロールできず、保存性も低いため価格が変動しやすい。豊作で野菜の値下がりが続くと、農家は困窮する。その回避策として産地廃棄を行い、潰した野菜の平均価格の40%を政府が補てんするのだ。一方、不作時にも農水省による様々な施策が行われ、野菜が一定の価格で市場に提供されるよう調整されている。これらの対策を「緊急需給調整対策」と呼び、僕らが一定の価格で野菜を購入し続けられるようにバランスが取られている。

農水省は3月に「豊作になりそうな野菜を事前に告知し、消費者に多く食べてもらうようアピール」「余った野菜の新規引取先を探す」「産地の担当者を公表して引き取りたい人との連絡を容易に」「収穫祭など有効利用の取り組みを紹介」など、一般から寄せられた案をもとに新たな対策案を発表。ホントにこれで解決する? 農産物流通コンサルタントの山本謙治さんに話を聞いた。

「まだまだ具体性に欠けます。担当者を発表して直接引き取るにしても、誰がその役割を引き受けるのか? 農家には野菜を個々の消費者に宅配する機能はありません。収穫祭にしても、収穫時は農家がもっとも忙しい時期でそんな余裕はない。そもそも産地廃棄の背景は野菜の消費量低下にあります。豊作の野菜を1個といわず2個買い、消費量を増やすのが身近な解決策です」

問題は山積み、知れば知るほど袋小路に。「もったいない」だけでは解決しないことだけは良くわかった。


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