18年ぶりに比率が上昇

「株式持ち合い」復活の背景とは?

2007.09.20 THU



イラスト:牧野良幸
上場企業約3000社の株式持ち合い比率が、06年度は12.0%と前年度より0.9ポイント上昇したと、新聞各社が報じていた。調査初年度の90年度は32.9%を付けていた株式持ち合い比率は、以後急速に減少。ところが、昨年度から反転を始めたという。これはどういうことか。

60年代の資本自由化の際、欧米から外資が参入して買収されることを恐れた日本企業は、お互いに株式を持ち合うようになった。メインバンクや“仲良し”企業に株を持ってもらい、お互いに持ち合い比率を高めておけば、お互いが安定株主になる。そうなれば、経営まで乗っ取られる事態を避けることができそうだ、と考えた。株式の持ち合いは一気に広まっていった。

だが、この株式持ち合い、欧米では考えられないシステムだった。欧米企業は資本効率重視の経営を株主から求められる。株主から調達した資金で他社の株式を買い、保有したままでいるなど、株主への背信行為とも受け取られかねない。期待は本業にあるのだ。さらに、“仲良し”企業同士での株式持ち合いは、売らないことが前提。株主からのプレッシャーを経営に与えられないのでは、ぬるま湯経営をしてもおとがめがないということ。諸外国からは、日本の閉鎖性のひとつとして批判を浴びた。

その後、経済のグローバル化とバブル崩壊から持ち合い解消は余儀なくされる。典型例は、時価会計の導入だ。バブル崩壊による株価暴落は巨額の含み損を各企業に生み、経営を直撃することになってしまった。不況が続くなか、なんとか利益を確保するためにも含み損の要因となる持ち合い株は次々に売られた。そして株式の売却は、株式市場のさらなる急落をもたらした。

そんな状況を経験したのに、なぜまた持ち合い比率上昇なのか。背景は、5月に解禁された三角合併らしい。買収懸念である。だが、今度は時代がまったく違う。外国人株主も多い。経営者は、かなりの説明責任を問われることになりそうだ。


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