本や雑誌が「定価販売」なのはナゼ!?

出版物の値引きを禁止する「再販制度」ってどんな制度?

2007.11.08 THU



イラスト:藤田としお
昭和図書が運営するショッピングサイトにて、「売れ残った本を半額で販売する」という試みがスタートした。本は「再販制度」によって定価での販売が義務付けられているので、こうしたサービスは消費者にとってウレシイ限り。…でも、どうして出版物が定価販売のみなのか、ご存じ?

そもそも「再販制度」とは「再販売価格維持制度」の略。「再販売」とは、メーカーがいったん手放した商品を卸売業者や小売業者が“再び販売する”ことを指している。つまり、卸売価格や小売価格がここでいう「再販売価格」となり、この価格をメーカーが決めて指示することを「再販売価格維持」と呼ぶ。一般に、再販売価格維持は独占禁止法違反とされているのだが、出版物については販売業者が出版社と「再販契約」を結ぶことで例外的に許されている。「再販制度」とは、出版社が書店での販売価格を決め、それを守ってもらう仕組みなのだ。

出版社は再販契約を書店と交わした後、「委託販売」を始める。通常の委託販売では、商品の所有権をメーカーが所持するのに対し、出版物の場合は流通とともに所有権も移り変わるのがポイントだ。つまり、書店は販売を委託されているのではなく、買い取った商品を再販売していることになる。売れ残りリスクを「返品」によって出版社に負担してもらう代わりに、自分のモノであるはずの商品の価格決定権を出版社に委ねているのである。

「再販制度が認められている理由としては、文化の普及に必要だという『文化普及説』、本の定価販売は競争への弊害が少ないとされる『弊害希薄説』、そして定価販売の慣行を追認する『商慣行追認説』、主にこの3つが唱えられています」(慶應義塾大学産業研究所・石岡克俊准教授)

一方で、「自由な競争を否定しないかたちで、文化を普及させる仕組みを考えるべきだ」という声もあるという。「再販制度維持」か「廃止」か――出版物の未来は、どちらにあるのだろう。


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