頑張り過ぎにはご注意を!?

睡眠時間減と労働時間増が日本経済に与える影響は?

2007.12.06 THU



写真提供/時事通信
2002年から始まった戦後最長の景気拡大が続くなか、総務省による平成18年の社会生活基本調査では、睡眠時間がこの20年間で最短となり、逆に労働時間は増加へ転じた。このことから、「睡眠時間を削って働いたことが景気拡大につながった」と考えるのは短絡的だろうか…ということで、いろいろ調べてみたら、興味深い数字が見つかった。

2006年に日本大学の内山真教授は、睡眠不足からくる作業効率の低下や事故による経済的損失が年間で約3兆5000億円にものぼると算出したのだ。ただし、ここには睡眠障害が引き起こす健康被害の損失は含まれていない。睡眠不足は判断力を低下させ、大事故の原因になるだけでなく、うつ病、高血圧、糖尿病の原因または悪化要因になることも分かってきており、トータルの損失額は計りしれないという。

一方、睡眠不足と労働時間の増加、景気拡大の相関関係について、昭和女子大学の矢野眞和教授は、「日本はもともと世界の中でも平均睡眠時間が短い国であり、労働時間の増加や睡眠時間の減少が景気拡大に直結しているとまではいえませんね」(同)と分析している。現状では明確な関連性は見出せないようだ。

しかし、睡眠不足のまん延が逆に新たなビジネスチャンスを生んでいることは間違いない。質の高い仮眠をとるための睡眠サロンや、デイユースプランを用意しているホテルが増えており、気圧を高めたカプセル内に入ることで酸素を細胞の隅々まで溶け込ませて疲労回復効果を得るといううたい文句の睡眠(酸素)カプセルも注目を集めている。そして、それらの利用者の中心は30~40代の会社員だとか。彼らは最も働いており、かつ睡眠時間の短い世代でもあるのだ。

業績拡大のために毎日夜遅くまで働いても、睡眠不足から遅刻やミスをしたり、体を壊してしまうようでは会社も困るはず。何事もほどほどが一番!?


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