実感は数字にも表れていた!?

家計貯蓄率が10年で3分の1どうしてこんなことに?

2008.02.14 THU

かつて日本は、貯蓄好きの国として世界に知られていた。消費に回さず貯蓄してしまう、と貿易摩擦の原因にされたことも。ところが今や昔話である。内閣府が発表した06年度の国民経済計算によると、家計貯蓄率は3.2%と過去最低を記録した。70年代には20%以上も記録、80年代から90年代後半まで10%以上で推移していたのに、以後急降下。97年の11.4%から10年足らずで3分の1の水準になってしまった。

家計貯蓄率とは、家計が税金などを引いた手取り収入=可処分所得から、どれだけ貯蓄に回したかを示した割合。では、どうしてこれほど急減してしまったのか。ひとつの要因は高齢化の進展だ。退職して年金で暮らす高齢者が、蓄えてきた貯蓄を生活費に回している構図がある。総務省による05年の家計調査では、世帯主が60歳以上の無職の世帯では、貯蓄率はマイナス26.1%。収入より支出が多いため大幅に貯蓄が取り崩されている。85年に8.5%に満たなかった「高齢無職世帯」が全世帯に占める割合は、05年には24.5%に。40年後には、貯蓄世代と取り崩し世代の割合は1.5対1もの比率になるとされ、貯蓄率はさらに低下することが予想されている。

そしてもうひとつの要因が、働く現役世代の貯蓄力の低下。06年の国民所得は373兆2000億円と前年比1.8%増えたが、企業が社員に払った雇用者報酬はこの伸び率より低い1.3%。要するに企業の高収益が家計に波及していない、賃金が上がっていないのだ。日本経団連も口にし始めた“恩恵を家計に”の実現が待たれる。

すでに日本の貯蓄率はドイツやフランスを大幅に下回り、低貯蓄率の代表格だったアメリカと逆転するのではないかとの声も出始めている。日本の潤沢な貯蓄は、金融機関を通じて企業への融資や国債の購入などに充てられてきた。そこにゆとりがなくなるということは、外国からの資金や直接投資などに頼るしかなくなる。他人事ではない、大事なニュースである。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト