国際特許出願数ランキング発表で

技術立国日本の将来を占ってみる

2008.03.27 THU



写真提供/ロイター/AFLO
2月21日、WIPO(世界知的所有権機関)は、特許協力条約(PCT)の手続きによって申請された国際特許出願数ランキングを公表した。国際特許出願とは、特許申請を簡略化するPCTの手続きにより特許を出願すること。ちなみに、国際特許というものはない。あくまで国際「特許出願」なのだ。

さて、この国別ランキングでは昨年に続き、アメリカ、日本、ドイツがトップ3。だが、驚いたのは、それぞれ4位、7位にランクされた韓国、中国の躍進だ。両者の増加率は韓国18.8%、中国38.1%と驚異的。正直、技術大国日本危うし、とすら思えてしまう。そこで、特許など知的財産戦略に詳しい東京理科大学専門職大学院の馬場錬成教授にこれからの日本は大丈夫なんですか、と聞いてみた。

「中国の出願が大きく伸びているのは確かですが、中国に進出している外資系企業の出願が過半数です。企業別ランキング4位に入った華為技術有限公司などの中国企業も急増していますが、日本のライバルとなるのはまだ先のことです。韓国も伸びてはいますが、同様に日本には及びません。悲観的になる必要はありません」

日本のモノづくりの技術は世界トップ水準。そして、質的に中国や韓国が追いつくにはまだまだ時間がかかる、というのが産業界の共通認識のようだ。むしろ、両国の追い上げがアジア全体の底上げにつながり、近隣で刺激しあうことで日本の技術がさらに高まっていく、という相乗効果を期待すべきなのかもしれない。

ただし、「日本はアメリカと比較するとバイオテクノロジー、ITで大きく後れをとっています。この巻き返しが大きな課題です」(同)というのが現状だ。

今後は、官民の双方が次世代の技術開発でいかに日本独自の技術を生み出し、さらには知的財産化していくか、何をもって世界に貢献するか、という明確な戦略を持つことが求められている。


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